Layer5

Sense

フィジカル、メンタル、マインドセット、スキルという4つのレイヤーを前提条件とした最上位に位置しながら、他のレイヤーのクオリティを左右する経営脳の第5レイヤー「センス」。「センス」は競争力の源泉。

経営脳の最上層
第5のレイヤー、
センス

経営脳のレイヤー最上層の「第5レイヤー:センス」、これは「競争優位を創り出すチカラ」を指します。

自分は他者と比べて「何が違うのか?」、
当社は他社と比べて「何が違うのか?」。

競争環境にあっては「違い」が「差」となり「もっといい会社」に進化するために欠かせません。

どんなセンスが必要なのか?
どうやってセンスを磨くか?

経営脳の第5レイヤー「センス」を紹介します。

【要点】
センスとは「差」を作るチカラ

L1~L4=差別化される要因

L5:センス=差別化する要因

最上層の「第5レイヤー:センス」は「競争優位を創り出す経営脳」のことであり、競合との差を広げて、より大きなアドバンテージを取るために欠かせない要因です。

一方、下層の「L1:フィジカル」「L2:メンタル」「L3:マインドセット」「L4:スキル」は、それぞれ必要条件であり、不足したり欠けたりすると相手に遅れを取ってしまい「差別化される要因」となります。

つまり、下層に位置する「L1~4」を「差別化される要因・遅れを取らないための要因」とするなら、この「センス」は「差別化する要因・リードするための要因」と言えます。

【深掘り】
センスはクオリティーの源泉

スキルとセンスの違い

測れるスキル
測れないセンス

「スキル」は、「簿記1級」「TOEIC-800点」のようにレベルで表したり、シンプルに「できる・できない」と表現することができます。スキルは、多くの場合勉強したりトレーニングをすれば「今よりは良くなる」という能力です。

一方で「センス」は、感性や感覚の類なので、そのものを測ることができません。また、相手によって評価が変わるものでもあります。

身近な例で言えば「センスの良いネクタイ」といっても必ず「え?そ~かな~?」と異論を唱える人がいるものです。

また、ひねくれた人なら「万人受け」を避けて「レア」に価値を見出す人がいたりするのが「センス」です。

私は元税理士だったので「オシャレな決算書を作る人」は「センスあるな~」と思っていました。「決算書を作るスキル」はあっても「センス」がない人が作る決算書は「ダサいなあ~」と思ったものです(笑)。

攻守のセンス+パーソナルブランディング

攻めるセンス
守るセンス
そして経営者のキャラクター

競争の中で語られることが多い「センス」ですが、営業力や商品力・サービス力、さらにブランディングなどにおいて「攻めのセンス」がモノを言うことは当然として、一方で「守りのセンス」も大切です。

管理会計、人事制度、人材育成などであっても、センスが光る特徴的なアイデアや、効果的な工夫など「センス」は営業など攻めに限らず、守りも含めて経営全般に影響するものです。

さらに「経営者のキャラクター/パーソナルブランディング」も差別化要因となっていることが少なくなく、まさに「センス」で差が付いています。

どのようなテーマであっても、他とは違うという「差」、プラスアルファの価値=競争力を加えるためにセンスが必要となります。

センスだけでもダメ

スキルがなければ
センスは活かせない

言うまでもないことですが「メッチャいいセンス」をしていても下層の「L1:フィジカル」から「L4:スキル」の4つのレイヤーに課題があれば、そのセンスを十分に活かすことができません。

例えば、美味しい料理の見極めはできるけど、料理することはできない人がレストランを経営する場合、料理を作るスキルを持った人を雇わないといけませんが、その場合は、L4に属する「チームマネジメントスキル」がなければ、このレストランは短命に終わるでしょう。

「センス」は、下層の4つのレイヤーに支えられているということを忘れてはなりません。

他のレイヤーのクオリティを高めるセンス

他のレイヤーとの相互依存関係

上述のように「センス」は、下層の4つのレイヤーに支えられていますが、逆に、他のレイヤーにも影響しています。

「当社は、他社と何が違うのか?」と同様に、経営者として「自分は、他者と何が違うのか?」という視点が大切です。

  • 他者より魅力的なマインドセットを持つセンス
  • フィジカルをベストにキープするセンス
  • メンタルをベストにキープするセンス
  • スキルをより効果的に活用するセンス

このように、他の4つのレイヤーのクオリティーを高めることにも「センス」は影響しています。

【セルフマネジメント】
センスを高める

センスの高め方

「差」を観察する

感性や感覚の領域であるセンスは「向き・不向き」「スキ・キライ」など理屈では説明ができない分野でもあるので「このテキストで勉強すれば誰でもセンスがよくなる」というような方法がありません。

とはいえ、できれば高めたい「センス」。

ひとつ方法があるとすれば、様々な場面で「差」を観察することが私のおススメです。

「いいもの(ひと)は、どこが違うのか?」
「人気のあるもの(ひと)は、どこが違うのか?」ということを自分なりの解釈でよいので言語化することを続ければ「見る目」は高まります。

キーワードは「競争優位性」です。センスは競争優位のために取り組むテーマです。「競争」とは「相手との違いを鮮明にする」ということです。

どうすれば「相手との違いを際立たせることができるか?」という視点で周囲を観察し「見る目」を養い、経営脳の自主トレに役立てましょう。

ゴールのために
どんなセンスを磨くか?

「どんな会社を目指しているか?」この選択はオーナー経営者に与えられた「自由」です。

もちろん、自身がオーナーではなくてもオーナーに共感するかしないかの「自由」があります。

「規模を拡大して、世界を狙う!」という方向もあれば、「路地裏の小さな名店」を目指すという方向など、経営者として歩む人生をより楽しく幸福なものにするために「どんな会社を目指すか?」というゴール設定は自由です。

ここで紹介した「センス」は、このゴールを実現するための重要な要素となります。「世界に通用するセンス」を磨くのか?それとも「路地裏のツウ受けするセンス」を磨くのか?です。

少なくとも競争相手がいる場合、最後は「センス」で差が付きます。

「スキル」は「このレベルまで」という共通ゴールがありますが、「センス」は百人百様です。それぞれのゴールがあります。目指すゴールのために必要となるセンスはどういうものか?について熟考するようにしましょう。

補足:私の場合

こればかりは偉そうに言えないのですが、私はセンスを高めるために次のようなことを意識するようにしています。(順不同)

  • 自分をあきらめない=自分のセンスはきっと良くなると自己暗示
  • 「あの人のようになりたい」というセンスがいい憧れやアイドルを持ってマネしてみる
  • 他の意見に左右されることなく、自分の素直な気持ちでスキキライをハッキリさせる
  • 服や持ち物、振る舞いなどのオシャレに気をつかい、褒めてほしい人に褒めてもらえるように努力する
  • 「(いい意味で)みんなと違う」という他からの評価を喜ぶ
  • カッコいい・カッコ悪いにこだわる
  • 話す機会があれば、必ず「オチ」を付ける(関西やし?)

これらは「私の場合」なので、参考になるかどうか?はわかりませんが、あなたなりの方法を検討してセンスを高めてください。

【結論】
違いを意識して観察する

経営脳の第5レイヤー「センス」について、整理しました。

「センス」とは、競争優位を創り出すチカラです。

学習や経験によって修得が可能なスキルとは違って、センスは感性や感覚に基づくものなので、そのトレーニングは簡単ではありません。しかし、簡単ではないからこそ「差」となります。

ゴールのためにどんなセンスが必要か?を整理し、まわりの様々なモノやコトの「違い」を意識して観察し続けることでセンスは磨かれます。

まずは「センスを磨こう!」とマインドセットしましょう!