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02:中小企業経営者のための「管理会計」入門

2026 2/20
2024年1月8日2026年2月20日
H.HORII

「管理会計」ってナンだ?
役に立つのか?
ナニが分かるのか?
難しくないのか?
コストはかからないのか?
そもそも、必要か?

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

本稿では、
まったく初心者の中小企業経営者の方が
「やたら会計に強い経営者」になるために
「管理会計の基礎のキソ」を
「ざっくり」解説します。

INDEX

【比較整理】
「財務会計」と「管理会計」

会計は「財務会計」と「管理会計」の2つに大きく分類されます。

「財務会計」が
「誰かのための会計」であるのに対して、
「管理会計」は
「自分(経営者)のための会計」ということができます。

まずは「百聞は一見に如かず」、この両者の違いを整理します。

株式を公開していない中小企業の場合は下記のようになります。

財務会計
=必須=
管理会計
=オプション=
重要な視点事務処理情報処理
時間軸過去過去・現在・未来
目的「誰かのための会計」
=財務状況や業績の外部報告
「経営者のための会計」
=経営状況の内部把握
対象者株主、金融機関、税務当局、
その他取引先等の「外部」
経営者や部門リーダー
時にはチーム全員の「内部」
期間と帳票年度:決算書
月次:試算表
月次:管理会計レポート
*決まった名称や帳票はない
情報の詳細度会社単位会社単位に加えて部門別、製品別など
ルール会計基準など公のルールがあるので
それに従わなければならない。
ルールがないので自由に設計できる。
ツール市販されている会計ソフトや
クラウドサービス
エクセルやスプレッドシートによる
オリジナルフォーマット
活用範囲特になし経営計画
予算管理
部門別会計
業績分配給与賞与制度
原価計算等
人材育成

繰り返しますが、
「財務会計」が金融機関や税務当局など
「誰かのための会計」であるのに対して、
「管理会計」は、経営者にとって
「自分のための会計」である点です。

「試算表」や「決算書」は、金融機関や税務署などの外部に報告することが目的なので、公のルールである「財務会計」のルールに従って作成します。

したがって、そのフォーマットは残念ながら経営視点ではなく、債権者や投資家視点になっています。

それに対して「管理会計」は社内用であり、したがって、そのフォーマットは「自由」なので、経営者が必要とする経営情報を得るために、様々なアレンジをすることができます。

【二刀流!】
管理会計は選択オプション

ただ、この「財務会計」と「管理会計」は「どっちにしよう?」という選択ではありません。

「財務会計」に加えて、オプションとして「管理会計」を使うか?使わないか?の選択です。

したがって、財務会計の試算表や決算書で充分という経営者に「管理会計」は必要ありません。

しかし、経営状態を正しく把握したり、意思決定をするにあたって試算表や決算書では物足りない、あるいは、むつかしいと感じる場合は、オプションとして「管理会計」を追加して活用することを強くオススメします。

その場合、結果として「財務会計」と「管理会計」の両方を活用することになり、いわば「二刀流経営者」になることになります。

あわせて読みたい
01:中小企業の盲点|管理会計を活用しない理由 中小企業経営者が「管理会計」を使わないたったひとつの理由。それは「知らないから」。一度知ったら「やみつき」になるはず。 「儲かってまっか?」「ボチボチでんな!…

【定義整理】
中小企業の管理会計とは?

上述したように「管理会計」のレポートは「内部資料」なので、自由に設計することができますが、それゆえに「管理会計」という用語の範囲は広範囲です。

「財務会計」のように、決まったフォーマットがありません。

このサイトで紹介している「管理会計のフォーマット」も、当社のオリジナルです。

また、私のコーチング先の経営者には、それぞれの業種や規模、KPIに応じて個別にカスタマイズして提供していますが、その方法は「おおむね」次を基本としています。

  • 対象;
    10人から200人規模の中小企業の経営者
  • フォーマット;
    中心は「MA貸借対照表」「MA損益計算書」「MAキャッシュフロー計算書」の3つ。
    必要に応じて、部門別、地域別、商品別などアレンジ。
  • 運用方法;
    財務会計と分離せず、試算表や決算書をカスタマイズ(=個別運用しない)
財務会計と管理会計の実務的関連性のイメージ

つまり、実務的には一般的な会計ソフトによって通常の会計処理を行い「財務会計」の試算表をアウトプット。

そのデータをエクセルやスプレッドシートでフォーマット変換して「管理会計のレポート(「MA貸借対照表」「MA損益計算書」「MAキャッシュフロー計算書」+「必要に応じて個別レポート」)をアウトプットする、というフローになります。

自社でやっちゃえば、エクセルやスプレッドシートだから、コストもほとんど必要なしです。

*MA:Management Accounting

【重要指標】
管理会計の3つのKPI

「なぜ、わざわざ二刀流なのか?」

「財務会計」は、銀行や税務署等に提出するために必要です。

「管理会計」は、経営者が必要とするデータを正しく、かつ詳しく知るために必要です。

では「経営者が必要とするデータ」とは何か?

一言で言えば
「目的や目標の実現や達成に対する現状把握」ができるデータです。

それは業種や規模によって様々ですが、その中ですべての経営者に共通しているのは次の3つの重要データであり、これらは「最上流のKPI」です。

  1. 収益構造:損益分岐点
  2. 収支構造:収支分岐点・キャッシュフロー
  3. 実質純資産:換金価値で評価する内部留保

収益性を高め、
キャッシュフローを高め、
そして換金価値ベースでの純資産(実質内部留保)を厚くすること。

これが「管理会計」を活用した経営の「キモ」であり、その最大のメリットです。

残念ながら、これらのKPIは「財務会計の試算表や決算書」には表示されていません。

必要な時は「別途計算」が必要になります。

その都度「面倒な計算」をするくらいなら「二刀流」になって、月次でチェックできる体制にすればいい、という考え方です。

【要点整理】
活用しない理由は何もない

さて、「管理会計」がどういうものか?を理解できたでしょうか?

  • 財務会計は「誰かのための会計」、
    管理会計は「経営者のための会計」であること
  • 財務会計は必須、
    管理会計はオプション。
    「どちらか?」ではなく
    「追加するかどうか?」
  • 「財務会計」をカスタマイズして
    「管理会計」のレポートをアウトプット
  • 「管理会計」で可視化する
    • 「収益構造」
    • 「収支構造」
    • 「換金価値純資産=実質内部留保」

「管理会計」は、もっといい会社にするために欠かせないツールであり、活用しない理由は見当たりません。

以上、お役に立ちますように!

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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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