Layer5
Sense
ビジネスは競争。その勝敗を左右する「違い」。
どうやって「違いに敏感な経営者」になるか?
経営脳の第5レイヤー「センス」をリセット!
経営脳の第5レイヤー
センス
会社経営の目的は「関わる人たちの持続的な幸せ」です。
その量的拡大・質的向上のために
「もっと役にたつように変化」することが「成長」です。
この「成長」は「違い」に大きく左右されます。
自分は他者と比べて「何が違うのか?」、
当社は他社と比べて「何が違うのか?」。
この「違い」を産むのが「センス」。
そもそもセンスって何なのか?
どうやってセンスを磨くか?
経営脳の第5レイヤーである
「経営者のセンス」について紹介します。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に、「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このブログについて」をまずご覧ください。
【全体俯瞰】
経営脳の5つのレイヤー

- マインドセット
- フィジカル
- メンタル
- スキル
- センス
会社と経営者の成長は、表裏一体。
経営者が成長すると、会社は成長します。
中小企業が直面する経営課題は
「経営者の成長課題」が映し出されたもの。
課題解決の重要視点は
「会社をどうするか?」ではなく「ジブンをどうするか?」。
その自主トレツールが「経営脳の5つのレイヤー」。
もっといい経営者になるためのフレームワークです。
その活用の前提は「自責」で真正面から向き合うこと。
その活用の効果は「自己肯定感」となって返ってきます。
「違いに敏感な経営者」になるための「センス」は
「第5レイヤー」に位置しています。
5つのレイヤーの詳細は、下記の記事を参照してください。
経営脳の5つのレイヤー|フレームワークで経営力を強化する!
【要点概要】
センスとは「違い」

ビジネスは、スキキライを問わず「競争」。
「競争」である以上「勝ち負け」があります。
その勝敗を決める要因の大きな一つが「違い」。
「普通」との「違い」によって「差」が生まれます。
この「違い」は、意外と「日常的」です。
- プラスだと「お!センスあるやん~」
- マイナスだと「センスないわ~!」
- そして「ぜんぜん、フツーやん」
意識は別として、これは「違い」に関する会話です。
みんな、この「差のための違い」の競争をしています。
この「違い」に敏感な経営者になるための経営脳が、最上層第5のレイヤー「センス」です。
さて、どうやって「違いに敏感な経営者」になるか?
まずは「センスの正体」を暴きましょう!
【理解深耕】
センスの正体は・・・
センスの正体:1
スキルとの違い
さて、分かってるようで、得体のしれない「センス」とは何者か?
まずは「スキル」との違いから外堀を埋めていきます。
次の「言い回し」で、ぼんやりと輪郭が見えてきます。
- スキルは「できる・できない」もの
- センスは「いい・わるい」もの
- スキルは「知ってる・知らない」もの
- センスは「感じた・感じない」もの
- スキルは、経験や学習の量と比例するもの
- センスは、経験や気持ちの質と比例するもの
- スキルは、人の評価が分かれないもの
- センスは、人によって評価が分かれるもの
さて、どうでしょう?
細かな議論は別にして「大まか」に言い分けてみました。
なんとなく「輪郭」が見えたのではありませんか?
センスの正体:2
一人では生きられない
「センス」は、ひとりでは生きることができません。
どういうことか?
言い換えると「センスだけでは活かせない」ということ。
経営脳の他の4つレイヤーがあって初めて活かすことができるのが「センス」です。
最上層の第5レイヤーに鎮座しているのは、決して「エライ」からではありません。
- マインドセット:もっと役に立ちたいという動機
- フィジカル:アタマが冴えるカラダのコンディション
- メンタル:前向きでゴキゲン
- スキル:具現化するための経験や技能、技術
これらが欠けると、せっかくのセンスも活かすことができません。
ただ、これらは「持ちつ持たれつ」の関係でもあります。
「センスのおかげ」で、他のレイヤーも「もっとよくなる」ことができます。
- マインドセットのセンス
- フィジカル・マネジメントのセンス
- メンタル・マネジメントのセンス
- スキルを高めるセンス
このように相互依存関係にある「センス」は、ひとりでは生きられないのです。
センスの正体:3
得意技はアドバンテージ
さらに「センスの正体」を深めていきましょう。
経営脳の4つの下層「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」が不足すると、相手に後れをとって「負けるリスク」が高まります。
それに対して「センス」は、悪いと負けますが、なくても「普通」であれば負けはしません。「普通の競合」と並走できます。
でも、「センスが良い」と、アドバンテージを創出することができるので「勝つチャンス」が拡がります。
簡単に言うと、次のように言い換えることができます。
- 負けないための4つのレイヤー
- 勝つための1つのレイヤー
経営脳の最上層「第5レイヤー:センス」は「違いを創り出す」ことが得意です。
競合との差を広げて、より大きなアドバンテージを取るために欠かせない要因なのです。
センスの正体:4
実は、守りも上手!
上記で「勝つためのセンス」と書きましたが、センスは「守りも上手」です。
「点数を入れて勝つセンス」と同時に
「点数を入れさせないセンス」です。
例えば、会社経営において「会計」「人事労務」「法務」などを軽視できないのは言うまでもないでしょう。
これらのテーマにおいても「センスが光るシーン」があります。
- 「マネジメント会計」によるデータ経営のセンス
- 「成長支援型人事制度」による人材育成のセンス
- 「権利保護や情報管理」によるコンプライアンスのセンス
「センス」は、これら「守り」においてもキラリと光るものです。
センスの正体:5
気持ちが分かるやさしさ
さて、5つめの「センスの正体」。
これが「本質」かもしれません。
「センス」は「相手の気持ちが分かるやさしいヤツ」なんです。
- そもそも、何のために「違い」が必要なのか?
- そもそも、「勝つ」って何なのか?
「センスの正体」を見極めるために、この視点がとても大切です。
その答えの先には、必ず「相手」があります。
「相手にもっと喜んでもらうための違い」。
これが相手に伝わるから「センスええなあ!」という評価になります。
もし、相手の好みもニーズも無視して「センスええやろ?」とどや顔したところで、相手には響きにくいものです。
「相手のためのセンス」は光ります。
しかし「自分のため」であれば、それは「自己顕示欲」の表れであって「センス」ではありません。あえていうなら「悪いセンス」。
「センスの正体の本質」は、「相手のために違いを際立たせるための要素」ということができます。
そのために「相手の気持ち(ニーズや嗜好、期待など)」が大切なのは言うまでもありません。
【自主トレ】
センスの高め方
「違い」を「言語化」する習慣
感性や感覚の領域であるセンスは「向き・不向き」「スキ・キライ」など理屈では説明がしづらい分野です。
「このテキストで勉強すれば誰でもセンスがよくなる」というような方法がありません。
とはいえ、できれば高めたい「センス」。
ひとつ方法があるとすれば、様々な場面で「違い」を観察することが私のおススメです。
「いいもの(ひと)は、どこが違うのか?」
例えば・・・
- 競合店と自店のディスプレイの違い
- ヒット商品と従来品のデザインや機能の違い
- 評価が高いスタッフとそうでないスタッフの対応の違い
- 優れたリーダーとそうでないリーダーの意思決定の違い
「違い」を感じたら「なぜ、違うのか?」をよく観察しましょう。
自分なりでよいので「言語化」することが大切です。
感覚的に「違うな~」だけでなく「どう違うか」を言葉にする。
これを習慣化すれば「見る目」は養えます。
競争優位のための「センス」。
「競争」とは「相手との違いを鮮明にする」ことです。
「見る目」が肥えてきたら「こうすれば違いを際立たせることができるかも」と、言葉になって頭に浮かぶようになるでしょう。
そうなれば、しめたもの!
「感じるセンス」から「創れるセンス」への成長を実感できるはずです。
ゴールのためのセンス
「どんな会社を目指しているか?」
「規模を拡大して、世界を狙う!」という方向もあれば、「路地裏の小さな名店」を目指すという方向もあります。
経営者として歩む人生をより楽しく幸せなものにするために「どんな会社を目指すか?」というゴール設定は自由です。
「センス」は、このゴールを実現するための重要な要素となります。
「世界の多くの人たちに受けるセンス」を磨くのか?
「路地裏の僅かなツウに受けるセンス」を磨くのか?
競争相手がいる場合、最後は「センス」で差が付きます。
「ゴール」が百人百様なら、「センス」も百人百様。
ジブンが目指すゴールのために必要となるセンスはナニか?を熟考してみてください。
「ゴール」によって違うはずです。
補足:私の場合
こればかりは偉そうに言えないのですが、私はセンスを高めるために次のようなことを意識しています。(順不同)
- 自分をあきらめない=自分のセンスはきっと良くなるという可能志向
- 「あの人のようになりたい」というセンスがいい憧れの人のマネしてみる
- 他の意見に左右されることなく、自分の素直な気持ちでスキキライをハッキリさせる
- 服や持ち物、振る舞いなどのオシャレに気をつかい、褒めてほしい人に褒めてもらえるように努力する
- 「(いい意味で)みんなと違う」という他からの評価を喜ぶ
- カッコいい・カッコ悪いにこだわる
- 話す機会があれば、必ず「オチ」を付ける(関西やし?)
これらは「私の場合」なので、参考になるかどうか?はわかりませんが、あなたなりの方法があるはずです。
【要点整理】
違いに敏感な経営者になれる!
観察と言語化を習慣にする

さて「経営脳:第5レイヤーのセンス」について整理しました。
日常から「違い」を観察して「言語化」することで「違いに敏感な経営者」になれます。
つまり「センスのいい経営者」です。
「センス」がよくなると、他のレイヤーである「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」もレベルアップします。
つまり「もっといい経営脳」になるのです。
それが「もっといい経営者」「もっといい会社」に繋がることは言うまでもありません。
ただ、最後に注意点!
時代の流れと共に「競争優位な違い」は変化します。
陳腐化することなく「観察と言語化の習慣」を続けることが「ずっといい会社」に欠かせません。
お役に立ちますように!