「もっと儲けたい!」と思いませんか?
「もう充分、これ以上はいらない!」ですか?
私は、30年以上税理士として多くの「儲けている経営者」に出会いましたが、その共通点は拍子抜けするほどシンプルなものです。
それは「目標設定」と「強い気持ち」のふたつ。
この「収益力を高めるふたつの当たり前」に問題があると「なかなか儲からない」という悩みを抱えることが多くなります。
もし、心当たりがあれば、本稿を「経営脳のトレーニング=収益力の改善」のきっかけにしてみてください。
「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【課題:1】
目標設定をしているか?
収益性を高める=もっと利益を出すために「目標設定」はキホンです。
目標が必要なことについて「あたりまえやん!」と多くの人が思います。
なのに、意外と中小企業経営者で「目標設定」をしている人は少数派です。
それ以外は、下記のような人が多い印象です。
- そもそも目標を設定していない
- 目標のようで、実は「予測=これくらい行くだろう」である
- 目標のようで、実は「願望=これくらい行けばいいな」である
- せっかく目標設定したのに、フェードアウトしている
「儲けている経営者」は共通して「明確な目標設定」をしています。
一部の例外を除いて、マーケットで競合他社と競い合い、「もっと儲けたい!」と思っている普通の会社が収益性を高めるなら「目標設定」した方が儲かる確率は必ずアップします。
これは、仕事に関わらず「人の活動」において共通している「道理」です。
「いつか美味しいものを食べに行こう!」という漠然とした思いより「明日の夜、焼肉を食べに行こう!」と、具体的に決める方が実現しやすくなるのと同じことです。
【課題:2】
強い気持ちを持ってるか?
収益性を高めるためのもうひとつのキホンは「強い気持ち」です。
「儲けている経営者」は、目標達成に対する「強い気持ち」を持っています。
これも「あたりまえやん!」ですよね。
「根性論」のように聞こえるかもしれませんが、ビジネス的に言い換えれば「コミット」です。
絶対に達成する!という「自分との約束」です。
「目標設定」した数字を「必ず達成する」という「強い気持ち」が必要です。
ただし、それは「達成しなければならない」というMUST思考以上に、「達成したい」というWANT思考の強さでもあります。
私の経験上、「強い気持ち」がない経営者は、次のような共通点があります。
- 目標を覚えてない
- 「予実」について原因や理由が気にならない
- 「実績」を正確に把握していない
- 途中であきらめてしまう
- 「公言」しない(社員は知らない)
- 達成感や充実感を求めていない
こんな感じです。
その「本質」は、実は心の底から「儲けたい!」と思ってないんですよね。
その理由は、「現状でも問題ないから」というケースが散見されます。
そこそこ利益が出ていて、キャッシュフローも問題なく、チームも和気あいあいと幸せそう・・・であれば「危機感」が無いのも無理はなく、それでいいなら「おせっかい」する話でもありません。
しかし、です。
中長期的に見通した時に「いつまでも続かない」「いつか落ちる時が来る」「まだ内部留保が足りない」ということであれば、「やること」はあるはずです。
「ウサギ」か「カメ」か・・・です。
【相関関係】
「強い気持ち」と「経営力」
上記に「予実について理由や原因が気にならない」と書きましたが、「目標」があって「実績」があって、必ずそこには「差分」があります。
この「差分」には、理由や原因があります。
その理由や原因の多くが「解決すべき経営課題」です。
これが気にならない、というのは言い換えれば「経営課題に無関心」ってことです。
それで会社が良くなるはずがありませんよね。
目標に対する「強い気持ち」があるから「解決すべき経営課題」に気付き、その解決をするから経営レベルが上がるのです。
【重要視点】
「もっと儲けたい」は経営責任
別の視点でもうひとつ。
「儲けたい=収益性を高めたい」という動機が「自分ファースト」ではうまくいきません。
どこかにリバウンドが生じます。
少々極端な表現ですが「経営者の私腹を肥やすために頑張る社員はいない」からです。
「もっと儲けたい」は経営責任です。
取引先のため、社員のため、もちろん経営者自身のため、そして、それぞれの家族や大切な人のために「利益が必要」であり、その利益を稼ぐ責任は経営者にあるのです。
【賛否両論】
様々な意見との対話
- 厳格な目標設定は変化の激しい市場環境に対応できないのではないですか?
-
目標設定は硬直的なものである必要はありません。
効果的な目標設定とは、定期的な見直しと調整を前提としたものです。
目標があるからこそ「現状とのギャップ」が明確になり、そのギャップを埋めるための創意工夫や柔軟な対応が生まれます。
目標なく「場当たり的」に対応するよりも、明確な方向性を持ちながら柔軟に調整する方が、変化への対応力は高まります。
- 利益目標への過度な執着がサービス品質や従業員満足度を損なうことはありませんか?
-
もちろん「利益だけ」を追求すると他の価値を損なう可能性があります。
しかし、「目標設定」は必ずしも利益のみを指すわけではありません。
会社に関わる人たちへの配慮を忘れてはなりません。
本稿の真意は「関わる人たちへの想いの強さ」です。
- 「もっと儲ける」という短期的視点は長期的な持続可能性と矛盾しませんか?
-
「儲ける」とは短期利益のみを指すのではなく、中長期利益も含みます。
むしろ、長期的な持続可能性のためにこそ明確な目標設定と強い意志が不可欠です。
短期利益の延長線上に中長期利益があるのは当然です。
- 「強い気持ち」の追求が経営者や従業員の健康やプライベートを犠牲にすることはありませんか?
-
「強い気持ち」とは、無理強いや強引さのことではありません。
「関わる人たちの持続的な幸せ」に対する「強い気持ち」です。
もし、どこかに反動的な犠牲が生じるなら、それは、そもそも「目標設定」にあることが多いものです。
誤解しないように気を付けましょう。
- 企業の目的は「利益最大化」ではなく「社会的価値創造」ではないでしょうか?
-
両者は対立するものではありません。
社会的価値を創造し続けるためには、その活動を支える経済的基盤が不可欠です。
利益は手段です。
目的は「取引先(社会)のため、社員のため、経営者自身のため、そして、それぞれの家族や大切な人のため」です。
「社会的価値創造」の実現は「利益」で評価できると私は考えています。
「社会的価値創造」が「利益」とつながらないなら、その領域は「国・地方自治体」や「非営利団体」の仕事なので「民間企業」の領域ではありません。
- 市場や経済環境は複雑すぎて経営者の「強い気持ち」でコントロールできるものではないのでは?
-
「強い気持ち」がコントロールするのは「設定した目標」であって、「環境」ではありません。
「強い気持ち」の方向性を勘違いしないように気を付けましょう。
- 厳格な目標管理が組織の柔軟性や創造性を阻害する可能性はありませんか?
-
厳格な目標管理によって柔軟性や創造性が阻害されるとすれば、それは「本末転倒」が起きていますね。
「もっといい会社」を目指すための目標設定です。
環境変化によって、目標変更が必要になれば、柔軟な対応が必要であり、目標管理が不要という理由にはなりません。
【要点整理】原点回帰
さて、「もっと儲ける」ためのキホンである「目標設定」と「強い気持ち」を整理しました。
「儲けたい!」と思ってるのに「目標設定」をせず、また「目標設定」したにも関わらず、その達成のための気持ちが強くない、という「言行不一致」であれば、あとは「運」に任せるしかできません。
「運任せの経営」は、関わる人たちに失礼です。
このふたつは考えれば考えるほど「当たり前のこと」なのですが、この「当たり前」を改めて深めに考えてみてください。
まさに「原点回帰」。
もし、現状の収益性に満足できていないなら、改めて考えるきっかけにしてみてください。
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