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04:管理会計の功罪|反対派の意見と賛成派の反論

2026 3/14
2026年3月13日2026年3月14日
H.HORII

管理会計が役に立つことは理解している。
でも、その手間を考えると
「そこまでのものか?」と思う、正直。

中小企業経営にとって欠かせない「管理会計」ですが、それなりに手間がかかります。

本稿では、その「手間」と「効果」について整理しました。

これから「管理会計」を導入しようと検討中の経営者の方の参考になればと思います。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

INDEX

【基礎知識】
管理会計は自由な会計

「管理会計」は、法令やルールに縛られない自由な会計であるがゆえに、その範囲は広く、また、「これ!」と決まったフォーマットがあるものではありません。

このサイトで紹介している「管理会計」は、一般の会計ソフトからアウトプットされる「財務会計」の試算表(貸借対照表+損益計算書)データをエクセルやスプレッドシートで変換して、各会社で作成したオリジナルのフォーマットに変換するものです。

財務会計のエクスポートデータをスプレッドシートで管理会計に変換する両者の関係イメージ

したがって「財務会計」のデータと連携しない「販売分析」や「市場分析」などを含む「広い意味での管理会計」は、このサイトでは範囲外です。

その中心となるフォーマットは、下記の記事を参照してください。
>管理会計の貸借対照表
>管理会計の損益計算書

【反対意見】
管理会計は手間がかかる!

「管理会計」の目的は、正しい経営状態を示すデータをスピーディーに経営者に届けることです。

しかし、その導入や活用に関して、下記のような反対意見があります。

正しい月次決算を
しなければならない

「管理会計」は「財務会計」のデータを変換してアウトプットするので、そのデータの精度が低く、ラフなものであれば台無しです。

したがって、
「管理会計」は
「正しい月次決算処理が前提」
になります。

いわゆる「発生主義」で処理することは当然として、下記の項目についても損益計算に与える影響が大きい場合は、毎月処理する必要があります。

  • 減価償却
  • 賞与引当金の計上
  • たな卸し
  • 法人税等の引き当て
  • 為替換算

月次決算を
スピード化しなければならない

「管理会計」のアウトプットは「経営情報」であり、「鮮度」がその価値を左右します。

月々の業績を把握するのに1ヶ月以上もかかってしまうと、その情報価値は半減以下です。

遅くても「翌月5営業日」にはアウトプットできるように関連部署や、時には取引先の協力も得て「スピード化・早期化」する必要があります。

フォーマットを
作らなければならない

残念ながら、市販されている会計ソフトでは「フォーマットの自由なカスタマイズ」ができません。

したがって「管理会計のフォーマット」をエクセルやスプレッドシートで作成し「会計ソフトのデータを読み込んで変換する仕組み」を作っておく必要があります。

この「オリジナルのフォーマットを作る手間(=最初だけ)」と「そのフォーマットに変換する手間(=毎月)」が必要です。

(必要であれば)
部門別処理も必要

「会社全体の数字」をチェックするだけなら上記で充分ですが、さらに「部門別・商品別等の業績が知りたい」のであれば、経理処理を部門別に行う必要があります。

これは「管理会計だから」というわけではありませんが「部門別会計」の場合、部門を細分すればするほど処理に手間がかかります。

部門別でなければ「100円」と「1データ」を入力するだけですが、「A部門50」「B部門30」「C部門20」というように、「複数データ」を入力しなければなりません。

【賛成意見】
手間をかける価値がある!

以上のように…

  • 正しい月次決算をしなければならない
  • 月次決算をスピード化しなければならない
  • フォーマットを作らなければならない
  • (必要であれば)部門別処理が必要

…など「ひと手間~ふた手間」が必要ですが、
要は「その手間をかける価値」があるか?です。

いわゆる「費用対効果」ですね。

管理会計の賛成派は、下記のようなメリットを挙げます。

メリット1 
実質資本が分かる

「管理会計」のフォーマットのひとつ「MA貸借対照表」の特徴は「換金価値=実質資本(内部留保)」が、定点観測=毎月チェックできることです。

一般の貸借対照表は「帳簿価格」で作成されているため「会社の本当の価値」を把握することは困難です。

それに対して、「MA貸借対照表」では、資産と負債の各科目について「換金すればいくら?」という「換金価値」を計算する仕組みになっています。

「管理会計」を実装することで「バランスシートのチェックが習慣化すること」は最大メリットと言っても過言ではありません。

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メリット2 
本当の収益力が分かる

もうひとつのフォーマットである「MA損益計算書」の特徴は「限界利益」をベースにしていることです。

一般的に「人件費率」や「経常利益率」は、売上高をベースにしていますが、これは業種によって大きく差があり、その良し悪しを正確に判断することが困難です。

せいぜい「業界平均に比較して…」と、お茶を濁しておしまい、ということが散見されます。

業種に左右されない「限界利益」をベースにすることによって「収益力の実力」をチェックすることが可能です。

また、コストは「変動費・固定費」に区分するため、損益分岐点、収支分岐点の状況やその推移を毎月チェックすることができます。

さらに、毎月「税引”後”純利益」まで求めるので「納税後の正味の利益」を把握することができ「内部留保」を目標とすることが容易になります。

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メリット3 
会計に強い経営者になれる

管理会計が経営管理に役立つことは「当然のメリット」ですが、それを超える最大メリットと言っていいのが
「会計に強い経営者になれる」ことです。

毎月の「管理会計」のレポートによって、経営課題が鮮明になるので、知らず知らずのうちに
「数字が読める」ようになります。

そうすると、次は
「数字で考える」ようになります。

その結果、
「根性の目標」ではなく
「根拠ある目標」を設定するようになります。

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メリット4 
まだある管理会計の価値

「スピーディーかつ正確な業績把握」に加えて、人材育成、会議のレベルアップ、業務フローの合理化や効率化など、下記のように、まだまだ多くのメリットが期待できます。

  • 予算管理が容易になる
  • 経営計画の数値化が容易になる
  • 経営会議での意思統一や意見交換が「地に足が付いたもの」になる
  • 経営情報を経理部門に集約するための業務プロセス(フロー)が合理化、省力化される
  • 部門管理者(リーダー)と「数字の共有」がやりやすい
  • 経理担当者の視点が「守り」から「攻め」に変わり始める
  • 業績連動型賞与の仕組みが導入しやすい

【要点整理】
管理会計の価値ある手間

さて、「管理会計の手間と効果」について整理しました。

  • 正しい月次決算をしなければならない手間
  • 月次決算をスピード化しなければならない手間
  • フォーマットを作らなければならない手間
  • 必要なら部門別処理をする手間

管理会計には、これらの「多くの手間」がかかりますが、これらは「ムダな手間」ではなく「価値ある手間」です。

これは、断言できます。

なぜなら、40年近く、多くの中小企業で「管理会計のサポート」をしてきましたが「やっぱり、やめよう」とした企業は、一社もなかったからです。

毎月の業績は「試算表」ではなく
「管理会計のレポート」で把握すること。

「やらない理由」を考えるヒマはないはずです!

さ、さっそく取り掛かりましょう!

1部-概要編
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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