「進化型のMA貸借対照表」は
「一般の貸借対照表」を中小企業経営者のために
「資産や負債が直感的に分かるフォーマット」に
組み替えたものです。
頭についてる「MA」は、
管理会計「Management Accounting」の頭文字。

*考案した私が命名したものなので、
一般的な名称ではありません。
財務会計のルールで作成された「一般の貸借対照表」は「流動」「固定」という区分になっていますが、「MA貸借対照表」は、性質に応じたカテゴリーに区分しているので、その内容が理解しやすく、また、覚えやすくなっています。
「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【必要理由】
一般の貸借対照表の物足りなさ
なぜ「一般の貸借対照表」ではダメなのか?
その答えは「経営者にとって分かりにくいから」です。
決算書の一部である「一般の貸借対照表」は、銀行や税務署など外部に公表するため「財務会計」のルールで作成されています。
その目的は「結果を伝えること」であり、多くの経営者にとっては「ピンとこないフォーマット」です。
なぜなら「経営の感覚」とズレているからです。
その代表的な点は「流動・固定」の区分です。
多くの経営者は「流動・固定」に分けられている資産や負債のデータを経営に活かしているか?というと、多くはそうではありません。
ほとんどの経営者は、顧問税理士や金融機関から「流動比率が低いですよ」とアドバイスされても「ふ~ん、そうなのか」程度だと思います。
経営者が貸借対照表(BS:バランスシート)から読み取る必要があるのは「内部留保」です。
その「内部留保」を裏付ける「実質的なキャッシュ」はどれだけあるのか?を少なくとも決算時に、可能であれば毎月チェックする必要があります。
でも「一般の貸借対照表」から直感的にそれを理解できる経営者は少数派でしょう。
そこで「経営感覚にフィットしたフォーマット」が必要となり、そのために工夫されたのが、管理会計の進化型BSである「MA貸借対照表」です。
【アレンジ】
BSを経営者のために組替える
「MA貸借対照表」は、財務会計のルールで作成された「一般の貸借対照表」を、中小企業経営者のために組み替えたものですが、百聞は一見に如かず・・・まずはそのフォーマットを見比べてください。


【重要指標】
“実質”純資産を正しく理解する
私が、中小企業経営者に「MA貸借対照表」を推す理由は
「本当の財務力である実質内部留保を正しく知ってもらうため」に尽きます。
「本当の財務力」とは
「実質内部留保=会社の換金価値」です。
もし、今、会社を解散・清算すれば、どれだけのキャッシュが手元に残るか?という金額です。
資産をすべて換金し、その時点での負債をすべて支払い、返済したときの「残り」です。
この「残り=実質内部留保=会社の換金価値」から「資本金」を差し引いて残る金額が、設立以来稼いだ最終的な利益です。
反対に、万が一「支払いきれない・返済しきれない」という状態ならば、それは「実質的な債務超過」ということになります。
この「実質内部留保」を把握するとき、「流動・固定」と区分された「一般の貸借対照表」に比べて「MA貸借対照表」は、直感的にイメージしやすく、経営者にインストールしやすくなります。
下記に、各区分ごとの代表的な内容(科目)をリストアップしておくので、参考にしてみてください。
MA貸借対照表:資産の部
- 現金預金
- 現金
- 普通預金
- 定期預金
- 事業債権
- 受取手形
- 売掛金
- 立替金
- 棚卸資産
- 商品
- 製品
- 仕掛品
- 貯蔵品
- 前渡金(仕入に関わるもの)
- 設備資産
- 土地建物
- 車両運搬具
- 工具器具備品
- ソフトウエア
- 前渡金(設備に関わるもの)
- 財務資産
- 短期貸付金
- 長期貸付金
- 社員貸付金
- 金融資産
- 有価証券
- 投資有価証券
- 生命保険積立金
- 非資金資産
- 前払費用
- 長期前払費用
- 仮払金
MA貸借対照表:負債の部
- 事業債務
- 支払手形
- 買掛金
- 未払金
- 未払費用
- 預り金
- 借入債務
- 短期借入金
- 長期借入金
- 設備未払金
- 引当金等
- 貸倒引当金
- 賞与引当金
- 退職金引当金
- 税金債務
- 未払法人税等
- 未払消費税等
- 仮払消費税等
- 仮受消費税等
- 繰り延べ税金勘定
- 未収税金等
多くの場合「負債」は、額面通りの評価額になりますが、「資産」は、含み損を抱えている場合がほとんどです。
「現金預金」や「事業債権」は、額面通りですが「棚卸資産」や「設備資産」の評価は、額面に対して低くなることが多く、したがって「換金価値」を算出し、「負債」と比べることで「本当の財務力=実質内部留保」を把握することができます。
当然、この計算は「一般の貸借対照表」でも可能ですが、経営者の頭に残るイメージには大きな差が出ます。
「経営者が正しく理解し、インストールしなければ意味がない」のです。
【要点整理】
経営者のためのMA貸借対照表
さて、どうですか?
管理会計・マネジメント会計の「MA貸借対照表」を紹介しました。
- 「一般の貸借対照表」では経営者はピンとこない理由
- 「一般のBS」をアレンジして経営者のための「MA貸借対照表」を作成すること
- 「MA貸借対照表」は「実質純資産」を正しく理解し、内部留保を高めることに有効であること
管理会計は、財務会計とは違い「経営者のための会計」です。
「MA貸借対照表」は
「一般の貸借対照表」では把握しづらい
「本当の財務力=実質自己資本=会社の換金価値」を明確にすることができます。



