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もっといい経営者になるための「5レイヤー」メソッド
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  2. 中小企業の組織戦略
  3. 3部-採用編
  4. 03:採用力の改善|「イイ人」を見極めるための視点

03:採用力の改善|「イイ人」を見極めるための視点

2026 4/08
2024年10月23日2026年4月8日
H.HORII

「スキルはあっても、冷めた人材」
「スキルはないけど、熱い人材」
さて、どっち?
人材の見極めの重要視点。
「保有能力」と「発揮能力」。

前回は、マーケティング視点による「採用力を強化する3つの要素」について整理しました。

「採用力」=
会社の魅力×発信力×見極め力

  • 会社の魅力
    求職者にとっての魅力を明確にする
  • 発信力
    採用時だけではなく、日常から認知度を高めておく
  • 見極め力
    スキルだけではなく、マインドセットも含めた具体的な採用基準を言語化しておく

今回は「3:見極め力」を深掘りします。

見極め力とは
「この応募者は、当社が求めている人材なのか?」
 を見極めるチカラです。

さて「見極めのポイント」は?

「見極めの成功確率を高める視点」を整理します。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

INDEX

【組織戦略】
採用の「戦略的位置づけ」

本題に入る前に「なんの話か?」を確認しておきましょう。

「経営戦略」の中の
「組織戦略:採用」の位置付けについて
「おさらい」が必要なら、ここをクリック。
(必要なければ、次に進みましょう)

「中小企業の組織戦略」の目的は「最高のチーム作り」を通じて「もっといい会社」に成長することです。

その戦略要素は「組成・採用・育成・評価・分配」の5つ。

「人材採用」は、「組織戦略」の一部、
「組織戦略」は、「経営戦略」の一部。

つまり、
「採用」は
「経営戦略」の一部であり、
「経営目的を実現するための仕組み」といえます。

チーム力を高め、
もっといい会社にするための
「戦略テーマ」。

採用がうまくいくと
↓
チームが強化され
↓
戦略実行がよりよく進む
↓
もっといい会社になる

・・・という連鎖の構造です。

まず、この
「採用の戦略的位置づけ」
 を共有してから、本題に入りましょう。

あわせて読みたい
中小企業の組織戦略|「やたら組織に強い経営者」になればいい 最高のチームを作る中小企業のための組織戦略「人的資本経営」を実践するための「5つの重要視点」 「もっといい会社」にするために「もっといいチーム」にしたい。 そ…

【現状確認】
よくある採用の失敗

こんな経験はありませんか?

  • 知識や経験は充分のはずなのに、貢献度が低いなあ
  • スキルは認めるけど、チームに馴染んでないなあ
  • 前職での実績は素晴らしいのに、それを当社では活かしきれてないなあ

その原因は・・・

別記事の
「なぜ、イイ人が採れないのか?」で示したように

  • 採用基準がないから
  • スキル偏重だから

・・・も考えられますが…

「保有能力」だけを見て
「発揮能力」を見てなかった
可能性があります。

  • 履歴書に書かれた学歴、職歴、資格等・・・
  • 面接で聞いた前職の経験や知識・・・

これらはすべて「保有能力」です。

この「持っている能力」は、確かに重要です。

むしろ「ない袖は振れない」。

だから「ある袖は振れる」、はず…。

なのに「ある袖を振らん?」…。

「保有能力」を「発揮」しない。

なぜ?

期待もあって、
「スキルがあれば活躍するに決まってる」と、信じて疑わないからですね・・・

【見極視点】
保有能力と発揮能力

「保有能力」と「発揮能力」の違いを整理にしましょう。

保有能力とは

「保有能力」は、文字通り、その人が「持っている」スキル、知識、経験のことです。

学歴や職歴、保有資格、専門知識、技術スキル、前職での実績等々。

これらは履歴書や職務経歴書に書かれる内容です。

客観的に測定しやすく、面接でも確認しやすい能力です。

発揮能力とは

「発揮能力」も、文字通り。

「保有能力」を
「チームのために使うチカラ」
です。

同じ「保有能力」を持っていても、それを
「発揮できる人」と
「発揮できない人」がいます。

では、その違いは何か?

「保有能力」を発揮できない理由には、いろいろ考えられますが、私は、その中でも特に「その気」の影響が大きいと思っています。

そこで、次の式で表してみました。

発揮能力 = 保有能力 × 貢献欲

「保有能力」と「貢献欲」の両方が高ければ、
「発揮能力」は申し分ないはずです。

しかし、
「保有能力」がどれだけ高くても、
「貢献欲」が低ければ、
「発揮能力」は低くなります。

逆に、
「保有能力」が発展途上でも、
「貢献欲」が高ければ、
「発揮能力」は高くなります。

これが「掛け算」の意味です。

【構造確認】
「掛け算」あれこれ

発揮能力 = 保有能力 × 貢献欲

このフレームワークが、
「足し算・引き算」ではなく、
「掛け算」である理由を確認しましょう。

例えば、
「保有能力」を、そのまま発揮できる人材の
「貢献欲」を「1」とします。

保有:100 × 貢献欲:1= 発揮:100

「保有能力」と「発揮能力」が一致していて、
「期待通りの働き」の状態です。

でも・・・

貢献欲がゼロなら、すべてゼロ

どんなに高い保有能力を持っていても、それをチームのために使う気がなければ、発揮能力はゼロです。

保有:100 × 貢献欲:ゼロ = 発揮:ゼロ

「持っているのに、なぜ使わない?」

「宝の持ち腐れ?」

「発揮:ゼロ」ということは、
「いても、いなくても同じ人」です。

もし、保有能力で評価したために、高給になっているときは「コスパのワルイメンバー」ってことになります。

保有能力より貢献欲

逆に、保有能力が発展途上でも、貢献欲が高ければ活躍の期待が高まります。

保有:50 × 貢献欲:2= 発揮:100

(労務問題を横において例えるなら)
休日出勤や残業などで「人の2倍仕事する人」です。

「チームの役に立ちたい」という強い気持ちで一生懸命取り組んでくれます。

また、成長意欲も高いので、「保有能力」の不足分を徐々に埋めていく期待ができます。

いわゆる「伸びしろがある人」ですね。

両方高いと相乗効果

もちろん、保有能力も貢献欲も両方高い人材は、最強です。

保有:100 × 貢献欲:2 = 発揮:200

充分な能力を保有しているのに、
「まだまだ、もっともっと」って感じです。

持っている力を惜しみなくチームのために使い、さらに成長しようとする人材ですね。

【重要視点】
「貢献欲」とは何か

では、発揮能力を左右する「貢献欲」とは何か?

「その気」と上述しましたが、
「貢献欲」はシンプルに
「役に立ちたい」という
「欲求(WANT)」のことです。

役に立たなければならないという
「義務感(MUST)」ではありません。

もっと根源的な、内から自然と湧き出る思いです。

  • チームの役に立ちたい。
  • 顧客の役に立ちたい。
  • 会社の成長に貢献したい。
  • 仲間を支えたい。

こうした他者へ向かうベクトルが「良質なモチベーション」の源泉となります。

私は、「成長」とは「貢献度が高まる進化」と定義していることもあって「貢献」という言葉を多用しています。

貢献欲の高い人材の特徴

「貢献欲の高い人材」には、共通する特徴があります。

  • 期待されている役割を果たすための自己投資を怠らない
  • 周囲との協力や支援を惜しまない
  • トラブルが生じても、まず自責で振り返ることができる

彼らは「役に立つことの喜び」を知っているため、自分の業務だけでなく、チームメンバーへの支援や応援も惜しみません。

貢献欲の低い人材の特徴

反対に、「貢献欲が低い人材」はどうでしょうか。

  • 「帰属意識」が低い
  • 「チームワーク」に関心が低い
  • 「会社の方針」や「目標・目的」への関心が低い

思考が「ジブンファースト」になりがちです。

たとえ高いスキルを持っていたとしても、ベクトルが自分に向いているため、周囲との相乗効果が生まれず、チームとしての成果貢献は限定的になります。

「悪い意味での一匹オオカミ」です。

さらに注意が必要なのは、周囲に「マイナスの影響」を与えてしまうケースです。

本人の意図はどうあれ、マナー違反やルール違反、不機嫌な言動などで周りの空気を悪くしてしまうタイプです。

ここまでくると、能力の発揮どころか、チーム全体のパフォーマンスを下げる要因となり、組織として非常に扱いが難しくなります。

【5層構造】
メンバーも5レイヤー

実は、この「保有能力」と「貢献欲」の話は、本質的に「経営脳の5つのレイヤー」と同じ構造です。

経営脳の構造において「スキル」は第4レイヤーであり、ベースには第1レイヤーの「マインドセット」があります。

保有能力(スキル)がどれだけ高くても、その根底にある「マインドセット」、つまり考え方や価値観が不十分であると、保有能力は発揮されない、という構造です。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

貢献欲は、マインドセットの現れです。

一例を示すと、このようになります。

  • 倫理観:人としての正しくありたい
  • 使命感:自分の役割を果たしたい
  • 成長志向:もっと役に立つ存在として進化したい

この3つだけでも「貢献したい」という裏付けとして充分でしょう。

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【要点確認】
発揮能力=保有能力×貢献欲

さて、どうでしょう?

採用における「見極め力」の重要視点である「発揮能力」について整理しました。

  • 保有能力:持っているスキル・知識・経験
  • 発揮能力:保有能力をチームのために使うチカラ
  • 発揮能力 = 保有能力 × 貢献欲
  • 貢献欲がゼロなら、発揮能力もゼロ
  • 貢献欲が高ければ、保有能力は後から伸びる

発揮能力は、中長期的なチームパフォーマンスに大きく影響するテーマです。

「採用ミス」をなくすため、丁寧に「発揮能力を見極めるチカラ」を高めましょう。

お役に立ちますように!

【関連記事】
「組織戦略」全記事リスト

1部:概要編
  • 01:組織戦略の本質|最高の経営者人生のために
  • 02:組織戦略の主軸|人的資本経営|消費から投資へ
  • 03:組織戦略の全容|最高のチーム「5つの仕組み」
  • 04:組織戦略の前提|相性の良し悪しがとても大切
  • 05:組織戦略の目的|経営者の自由度を拡げる
2部:組成編
  • 01:組織作り|経営者のチームビルディング・スキル
  • 02:組織作り|最高のチームを作る実務:5ステップ
  • 03:組織作り|「もっといいチーム」の「らしさ」
  • 05:組織作り|「感じのイイ会社」のカルチャー
3部:採用編
  • 01:採用力の課題|「イイ人」はなぜ採れないのか?
  • 02:採用力の強化|「イイ人」を採るマーケティング
  • 03:採用力の改善|「イイ人」を見極めるための視点
  • 04:採用力の改善|「イイ人」に選ばれるための視点
  • 05:採用力の実務|「イイ人」を見極める面接のコツ
4部:育成編
  • 01:人を育てる前提|育てることに「ホンキ」か?
  • 02:人材が育つ前提|「成長の定義」を共有した?
  • 03:人を育てる前提|「ヒト」のことを正しく理解する
  • 05:人材育成の仕組|「学校方式のPCDA」で育てる
5部:評価編
  • 01:人事評価の本質|人を育てるための道具
  • 02:人事評価の現実|中小企業が失敗する理由
  • 03:人事評価の運用|「成功例」と「失敗例」の比較
6部:分配編
  • 01:成果分配の概要|業績連動型賞与の「ざっくり」
  • 02:成果分配の功罪|業績連動型のデメリットとリスク

このサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。

特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。

お察しのとおり、このサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。

すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。

また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。

このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。

「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。

ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。

3部-採用編
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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