中小企業経営者のための「経営脳のリセット」4つのステップ

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


ブログの基本コンセプトは、いったん経営脳をリセットして「5つのレイヤー」の最適化を提案することです。

ドメインとロゴは、最初に取り組む「リセット=Re! set」を表しています。

この記事では、経営脳を最適化する際のリセットについて、その進め方を詳しく解説します。

本稿は「経営脳は5層構造、フレームワークで最適化する」の補足記事です。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

ダメなことは何度やってもダメ

「何度やってもうまく行かない」という経験が誰にでもあると思います。

その原因は、考え方ややり方が変わってないからです。

「現状」は、これまでの「考え方」と「行動」の結果です。

「現状」に満足であれば、「考え方」と「行動」は変えなくていいでしょう。

しかし「現状」に満足していないなら「考え方」と「行動」を変えなければ、悪循環から抜け出すことができません。

「考え方」と「行動」を変えず、結果だけ変えたいと望んでも、それは非現実的です。

結果を変えるために必要なのは「回数」ではなく「今までと違う考え方と行動」です。

(参考記事)【結果=考え方×行動】結果を変える思考のフレームワーク

まず、経営脳をリセットする

結果を変えるために、考え方と行動を変えればいいと理屈は理解できても、実際は簡単ではありません。

過去の成功体験や失敗経験も含めて、頭の中には「整理されてない様々な経験」がゴチャゴチャと保存(記憶)されています。

また、その過程で知ったり学んだ様々な考え方や価値観、あるいは情報などに影響されて、信じていることや思い込んでいることがバイアスとして、その人の考え方を偏らせています。

この「偏り」が、会社経営に好影響を及ぼしているときは順調でですが、反対に悪い方に影響すると「うまくいかないこと」が多発します。

この「偏り」を変えることなく、回数を重ねると、前述の「何度やってもうまく行かない」という悪循環に陥ってしまうのです。

さて、どうすればいいか?です。

アタマの中でゴチャゴチャに保存(記憶)されている過去の経験や知識、価値観、情報などは、例えるならパソコンの中に煩雑に保存されている大量のファイルのようなものです。イチイチ整理しているヒマはありません。

あるいは、「失敗した料理」をどうやっておいしく修正するか?に腐心するより、いったん捨てて、鍋を洗ってイチから作り直した方が実は近道ではないか?という考え方です。

新たに「最新のソフトウエア」をインストールする前に、まずリセットしてスッキリしましょう。

経営脳をリセットする4つのステップ

さて、「最新の経営脳ソフトウエア」をインストールするための「アタマのリセット」。

すでにお気付きのように、「価値観」「考え方」「思い込み」さらに「スキ・キライ」などは、個々の性格にも関わる領域であるため、リセットすると言っても簡単ではありません。「ガンコな汚れ」みたいに、なかなか取れない「ガンコな偏り」が誰にでもあります。

一気にやろうとはせず「生活習慣」を徐々に変えていくようなつもりで丁寧に下記のステップを進めていきましょう。

Step1:自己否定:自分を疑うことから始める

まず、Step1は「何をリセットするのか?」という「相手」を知ることから始めます。

この場合の「相手」とは、「客観的に見るジブン」です。

つまり「ジブンを知ること」からですが、そのためのキーワードは「自己否定」です。

「自分は間違っているかもしれない」「自分は偏っているかもしれない」と、自分を疑うことができるか?です。

中小企業経営者には「自分は正しい」と思いこんでいる人の割合が多いものですが、「結果・成果」に現れていれば、それは誇れる「自信」となりますが、「結果・成果」に結びついていないのに「自分は正しい」と思いこんでいるとすれば、話の辻褄が合いません。

「考え方と行動が正しい」ならば、「望む結果」が伴っているはずです。

「望む結果」が得られず、様々な不都合に悩んでいるとすれば「自分にはどこか間違っているところがある」と、自分を疑い、素直に受け入れることが必要です。

間違っても「自分は正しいが、運が悪いだけ」なんて、ガンコに「他責」を続けていれば、悪循環からますます抜け出せなくなります。

日常において「望む結果が出なかったとき」「成果が得られなかったとき」「不都合が生じたとき」は、誰かのせいにしたり、運の悪さをボヤくのではなく「自分の何がいけなかったのだろう?」「違う結果を得るために、自分の考え方や行動を改めるべきことはないだろうか?」と「自責で自問自答すること」を常に意識して振り返ることがとても重要かつ効果的です。

つまり「自己否定により自己認識を深める」ことによって「リセット」のヒントを数多く得ることができるはずです。

(関連記事)経営者のマインドセット|「素直な心」を忘れていないか?

Step2:経営脳のリセットにコミットする

ほとんどの場合、上記のStep1の狙いである「自己否定により自己認識を深める」というプロセスにおいて、気付いた「間違っているかもしれないジブン」を簡単に受け入れられず、「理屈」と「感情」のはざまで行ったり来たりを繰り返します。

「望む結果・成果」が得られてないのに、「あ!ジブン、間違ってるわ!」と素直に認められないのです。

かくいう私も、現役経営者時代に「自分以外の原因」を探し回ってた苦い思い出があります。

「自分は正しいのだから、必ず、原因は他にある」と・・・。

悪い意味の「信念」ですね(笑)。

ここで焦る必要はありません。

ただし「自責で自問自答すること」を止めてはなりません。

止めたら、そこでゲームオーバーです。

内心「自分は間違ってない」と思いながらも「間違っているかもしれない」と自分を疑い、自問自答することを続けます。

その反復によって、少しずつ「やっぱり、悪いのは自分か・・・」と少しずつ変化し始めます。

焦らず、リセットを少しずつ続けましょう。

ここで必要なのは「経営脳をリセットするぞ!」というコミットメントです。

もっと言えば「経営脳をリセットしたい!」という欲です。

もし、どうしても三日坊主になりそうであれば、身近な信頼できる人やコーチにフィードバックしてもらう、あるいは、同様に経営脳のリセットに取り組んでいる経営者仲間と一緒に取り組むことが効果的です。

Step3:他者を受け入れる

人は「都合の良い情報」に引っ張られる傾向があります。

自分の考え方や価値観と近い考え方の情報や、自分の選択の裏付けとなるような意見や情報によって、自信を深めたり、安心したり、心配を和らげたりしたいのです。

これが、確証バイアスや、エコーチェンバー効果と言われている「アタマの偏り」の原因となる日常の考動です。

「アタマの偏り」が、「アタマのリセット」の障害となります。

日常生活において、幅広い意見や情報に接することを意識し、その結果、多様性を受け入れ、認められるような自分になることがとても重要です。

これができるようになると、違う意見や価値観に対する許容力が増し、感情的に否定したり反論したりすることがなくなります。「それは違う!」ではなく「そんな考え方もできるな」という反応に変われば、かなり「アタマのリセット」が進んでいると自覚してもいいでしょう。

そのために私も実践しているのが「ネットニュースのコメント欄を読む」という習慣です。

新聞やTVなど、昔ながらの媒体は、その記者が発信している一方的な情報であり、その真偽や偏りに気付かないことが多いものです。しかし、ネットニュースであれば、そのリリースがあればたちまち読者のコメントが流れ始めます。そのコメントは「玉石混交」であり、まさに多様性に溢れているので「こんな反応する人もいるんだ」という発見が多いものです。ただ、匿名性のあるコメントには、無責任なものも多いので、できれば「実名コメント」が流れるニュースサイトがおススメです。コメントに対する、コメントなど、そのディスカッションもとても参考になるので、まだ使ってない人は、ぜひ試してみてください。

(関連記事)アタマを柔らかくすれば、会社はもっとよくなる

Step4:リセットのための時間確保

さて、Step1~3は、実践できそうですか?

おそらく「そのための時間が必要やな」と感じておられると思います。

個人差はありますが、ほとんどの人は「リセットのための時間」が必要です。

「落ち着く時間」「リラックスできる時間」「一人になれる時間」あるいは、それぞれのための「場所」など、なるべく外部刺激のない環境で取り組むことが必要であり、また、その時間を確保することでより効果的に「アタマのリセット」を進めることができます。

できれば「毎日」、少なくても「毎週1日」、1~2時間のまとまった時間を確保し、取り組んでください。

その時間とリセットはほぼ比例します。

時間をかけた分だけ、リセットは進みます。

ただ「月1回」など、時間感覚が長いと、その間に「また元に戻る」ということが多いので、効果を感じることは少なくなるので注意してください。

リセットはコツコツ進めればいい

上述したように「アタマのリセット」は、個々の性格にも大きく影響することなので、一朝一夕にできるものではなく、コツコツと根気よく時間をかける必要があります。

そんな「長期戦」ですが、その中でもなるべく効果的に進めるためには下記のようなことも参考にしてみてください。

簡単なことから始める

最初から「バクっと」リセットしようとしても「どうすればいい?」と躓いてしまいます。

最初は、あなたにとって簡単なことから始めましょう。

それぞれ、難易度は個人差がありますが、下記を参考にして「思い込み」や「偏り」に影響されていないか、自問自答の最初のテーマを見つけてください。

  • 営業方法や広告の方法
  • 市場環境や顧客ニーズ
  • 商品力やサービスの方法
  • 給与や賞与の決め方
  • 採用や育成の方法
  • 世代間の価値観や成果習慣の相違
  • 節税や資金調達の手法

生活習慣の改善

前述したように、短いスパンで自己認識を深めることが効果的ですが、時間確保のため生活習慣を見直す必要があるかもしれません。

  • 自己内観のため、起床時間を1時間早める
  • 読書は、経営哲学など、価値観に関するテーマを優先する
  • 午後6時には退社し、一人になれる場所で一日を振り返る
  • メンバーとの1on1の時間を多めに確保し、彼ら彼女らの価値観に耳を傾ける
  • 異業種、異世代など、自分とは差がある人たちとの会食を増やす

リセットした後は再インストール

冒頭で、新たに「最新のソフトウエア」をインストールする前に、まずリセットしてスッキリしましょう、と書きましたが、上記のステップで「アタマのリセット」ができれば「最新のソフトウエア」とインストールしなければなりません。

この「最新のソフトウエア」とは、まさに「5つのレイヤー」のことです。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。
  • Layer1:マインドセット
  • Layer2:フィジカル
  • Layer3:メンタル
  • Layer4:スキル
  • Layer5:センス

リセットし「受け入れ態勢」ができたアタマであれば、これらの5つのレイヤーの話がスルスルとインストールできるはずです。

マインドセットを整えるところから始めましょう。

(必読記事)経営脳は5層構造、フレームワークで最適化する

まとめ

さて、どうでしょうか?「経営脳」を最適化する準備としての「アタマのリセット」について整理しました。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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以上、お役に立ちますように!