今回は「計算力」。
経営者には、様々なスキルが必要ですが、案外盲点になっているのが「前提スキル」。
「基礎スキル」や「経営実務スキル」の前提となる「そもそも」の話です。

堀井さん、会計って難しいなあ・・・。
試算表や決算書を見るけど
どうも「ピン!」とこない・・・。



それ・・・
「会計」が難しいんじゃなくて
「数字」が苦手なんじゃない?
少々失礼を承知で言うと…
40年近く税理士として、たくさんの経営者に「試算表」や「決算書」を解説してきましたが、「会計」の前に「数字に弱い?」と思わざるをえない経営者が少なくありませんでした。
「会計」を勉強しても、なかなか身に付かない。
その原因は「会計の難しさ」ではなく・・・です。
そもそも「簿記」なんて、商業高校では1年生から必修科目です。
さて、なぜ「数字に弱い」のか?
その理由のひとつは「計算の習慣がないこと」です。
「数字に目覚めるきっかけ」になれば!と思って整理しておきます。
【おさらい】
レイヤー4:スキルの構造
本題に入る前に「スキルの構造」をおさらいしておきます。


「スキル」は技能や技術の領域なので、
「基礎」と「応用」があります。
学校の勉強と同じです。
「基礎」が不十分なのに「応用」はムリです。
たとえば「決断力」「戦略力」「育成力」などは「応用」です。
多くのビジネス書やセミナーも「応用」であり、
「基礎力があること」を前提にしています。
だから「あの本は役に立たない」
「あのセミナーはムダだった」と思っても
実は「基礎」が不十分だった可能性があります。
スキルには3つのレベルがあります。
- 第1レベル:前提スキル
- 第2レベル:部品スキル=基礎
- 第3レベル:複合スキル=応用
今回の「計算力」は、この「第1レベル」の話。
「基礎以前」の「そもそも」のレベル。
すべてのスキルの土台となる能力のひとつです。


【おためし】
感覚に近いか?の計算
「数字の感覚」は、計算する前と、計算した後のギャップの大きさです。
計算してみて「やっぱり!」であれば、感覚は鋭い方。
でも「意外!」であれば感覚が鈍い・・・。
さ、試してみましょう!
毎月売上1%アップを続ければ
5年で何倍?
まず、手始めに「毎月売上1%アップを続ければ5年で何倍になるか?」を計算してみます。
「初月:100」
「翌月:*1.01=101」
「翌々月:*1.01=約102」という具合です。
60カ月、この計算を繰り返すと「約180」になります。
100の売上が、5年後約1.8倍になります。
同じように「毎月売上5%アップ」で計算すると・・・
5年後には「約1,780」、「約18倍」です。
年商1億円であれば、年商18億円規模の会社になります。
さ、どうですか?
「当然やん!」ですか?
それとも「うそっ!(意外)」ですか?
毎年1社の顧客紹介が続けば?
続けましょう。
現在、30社の得意先があるとします。
もし、この既存客が、毎年「ご新規1社」を紹介してくだされば、5年後の顧客数は何社になるでしょう?
つまり、毎年2倍に増加すれば、です。
- 初年度:30社→60社
- 次年度:60社→120社
- 3年目:120社→240社
- 4年目:240社→480社
- 5年目:480社→960社
いわゆる「ネズミ算」ですね。
どうしても良くないイメージがありますが、冷静に計算してみると「ヒント」になりそうです。



私は、若い時「東京ドームでクリスマスパーティーしよう!」って企画したことがあります。
「5万人のクリスマス!」です。
1月に25人で新年会をして・・・
毎月友達を1人連れてくる、というルール。
すると・・・
2月:50人
3月:100人
4月:200人
5月:400人
6月:800人
7月:1600人
8月:3200人
9月:6400人
10月:12800人
11月:25600人
12月:51200人・・・達成!
「毎月、そんな人数でできるんか~い!」ってボツになりましたけど(笑)
毎日10分短縮すれば
年間何時間捻出できる?
次は「時間の計算」をしてみましょう。
「平日、毎日10分短縮すれば、年間で何時間を捻出できるか?」
「毎日10分×週5日×年間約50週=?」
・・・答えは「2500分=約42時間」です。
年間42時間ということは、毎日平均して10時間仕事してれば「年間4日が浮く」という計算になります。
3泊4日の旅行ができますね(笑)。
もし「毎日30分短縮」なら、3倍の「約120時間」。
「浮いた120時間」、何に使いましょう?
毎月1回、
会議を1時間短縮すれば?
上記の応用として、会議や打ち合わせで計算してみましょう。
「毎月1回、会議を1時間短縮すれば?」ですが「年間12時間の短縮」です。
でも、これは「ひとりあたり」ですね。
もし、その会議や打ち合わせに平均5人が参加していれば、チーム合計「@12時間*5人」で、60時間が浮きます。
言い換えれば、この1時間をムダにすれば、チームで年間60時間もムダにしている、ということになります。
そんな会議が、毎月5回あれば、年間300時間ものムダです。
経常利益1000万円は
多いか?少ないか?
決算をすると「経常利益1000万円」となりました。
さて、これは多いか?少ないか?です。
もちろん、それぞれの会社の諸事情によって様々ですが、下記のような計算、つまり「ひとり1日あたり」の計算をして考えることも興味深いです。
例:年間営業日数200日・20人チーム
1000万円/200日/20人=2,500円/1人・1日
毎日一人当たり2500円を稼いでいる計算です。
さて、多いか?少ないか?
意地悪な計算も補足しておくと。。。
経常利益が100万円なら、同条件で「ひとり毎日250円の稼ぎ」ですね。
キャッシュ1億円は
多い?少ない?
御社にとって「キャッシュ1億円」は多いですか?それとも少ないですか?
自由に使える1億円をゼロから溜めるまでに何年かかる?
自由に使える1億円は何年で底をつく?
そんな計算も興味深いですよ。
年末ジャンボの当選確率
宝くじ、その中でも年末ジャンボの1等当選確率は2000万分の1らしいです。
2000万分の1って、よくわかりませんが「日数」に置き換えると面白いです。
2000万日を365日で割り算すると、約55,000年!です。
地球は氷河期だったらしく、ホモサピエンスが石器を使ってたような時代から、この現代までの「ある1日」の確率ですね(笑)。
【まとめ】
すぐ計算してしまうクセをつける
さて、どうですか?
日頃は意識してないけど、計算してみると「何かを感じる」サンプルを紹介しました。
このような「ちょっとした計算」を習慣化することで「数字感覚」を磨くことができます。
プライベートでも、カウンター10席のバーで飲みながら・・・
「客単価?回転数?このお店の月間売上って**くらいかな?」という具合です。
「すぐ計算してしまうクセ」を付けることがオススメです。
特に「経営実務スキル:会計力」の前提となる「計算力」を高める参考にしていただければと思います。
お役に立ちますように!




