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重要会計指標|「損益分岐点売上高」はナンセンス!

2026 1/02
2024年5月8日2026年1月2日
H.HORII

「損益分岐点」はいくらですか?

最近、上がりましたか?下がりましたか?

先月は、クリアしましたか?

・・・・・

さて、いま「売上」をイメージしていましたか?

それとも「粗利」をイメージしていましたか?

違いますよね?

「限界利益」をイメージしていましたよね!

・・・・・

さて、この話に「違和感」や「疎外感?」を感じましたか?

もし、そうなら本稿は「かなり!お役に立てる」と思います。

先に結論を示しておきます。

「損益分岐点売上高」なんて役に立ちません!

必要なのは「損益分岐点限界利益」だからです!

この話を整理しました。

「な~んだ、そんな当たり前の話か!」と思われた方は、
時間がもったいないので、別の記事に移ってください!

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このWEBサイトについて」をまずご覧ください。

INDEX

【損益分岐点】
黒字と赤字の境目の “売上高”

損益分岐点(BEP:Break-Even Point)は、文字通り「損益の分岐点」。

つまり「黒字」と「赤字」の境目のこと。

一般的に「損益分岐点売上高」を意味するので「損益トントンの売上高はいくらか?」という金額を指しています。

その計算式は、下記のようにややこしいものです。

損益分岐点売上高
=固定費÷{(販売価格−変動原価)÷販売価格}

こんなややこしい計算式になっている理由は「売上高」で計算するからです。

簡単な計算例を示します。

  • 固定費:100万円
  • 販売価格:100円
  • 変動原価:80円

損益分岐点売上高
=100万円÷{(100円-80円)÷100円}=500万円

@100円の商品を500万円分=5万個販売すると、
原価が400万円なので、
100万円の粗利があって、
固定費をカバーできる、という計算ですね。

この計算式「目標利益」を加えると、さらにややこしくなります。

  • 固定費:100万円
  • 販売価格:100円
  • 変動原価:80円
  • 目標利益:50万円

目標利益のための売上高=(50万円+100万円)÷{(100円-80円)÷100円}=750万円

@100円の商品を750万円分=7万5千個販売すると、
原価が600万円なので、
150万円の粗利があって、
固定費100万円を差し引いて50万円儲かる、という計算です。

【欠点盲点】
損益分岐点をクリアしても赤字?

上記の「損益分岐点売上高」の計算例は
「500万円の売上高でトントン」という結果ですが、
500万円という目標売上のために
「1割引きの@90円でディスカウント販売」したらどうなりますか?

500万円をクリアしても赤字ですよね?

  • @90円×55,556個=売上高5,000,040円
  • @80円×55,556個=変動原価4,444,480円

粗利は、555,560円・・・固定費が100万円なので、約45万円の赤字です。

「損益分岐点売上高」を計算して目標設定しても「100円で販売したら」という計算の前提条件が崩れると、この損益分岐点売上高は、まったく意味のない「ナンセンスな数字」となってしまいます。

難しい話ではないですよね。

わざわざ、ややこしい計算式に当てはめて損益分岐点売上高を計算しても、それには「前提条件」があるので、それを忘れてしまうと「売上目標をクリアしても赤字」という笑えない結果になってしまいます。

こんなシンプルな話なのに、意外にも「損益分岐点を売上高でアタマに入れている経営者」が少なくありません。

さらには、この「損益分岐点売上高」をチームで共有している会社もあります。

このナンセンスさを「分かっていればいい」のですが、残念ながら「気付かんかった」「気にしたことがない」という人達によく出会います。

【視点転換】
損益分岐点は “限界利益” で

改めて「損益分岐点」とは何か?を考えてみましょう。

「損益トントンの売上高はいくらか?」と考えるからナンセンスになるのです。

もっとシンプルに「損益トントンの限界利益はいくらか?」と考えれば、この話はとても簡単です。

「売上高は手段」であり「目的は利益」。

損益分岐点も「売上高」じゃなく「限界利益」で理解すれば、とても簡単です。

損益分岐点のイメージ

損益分岐点限界利益=固定費

もはや「計算式」でもありません。

「固定費を超える限界利益を上げようね!」です。

上記の「目標利益50万円」の計算例であれば

  • 固定費:100万円
  • 販売価格:100円
  • 変動原価:80円
  • 目標利益:50万円

「固定費100万円+目標利益50万円=目標の限界利益は150万円」になります。

要は「固定費」に見合う「限界利益」が目標なのです。

【重要視点】
売上高は手段にすぎない

この話、結局、そのために「どれだけの売上高が必要か?」という話になりますが、これは「手段の話」なのです。

この「手段」に意識を取られていると「目標・目的」である「利益」への意識や気持ちが希薄になりがちです。

例えば、売上高から限界利益に変えるだけでメンバーの思考は変わります。

「売上目標750万円!」と掲げるのではなく、
「限界利益目標150万円!」と掲げることで
「売ればいいんだ!」という思考から「儲けなければ!」という思考に変わります。

売上高を上げるために「値引き販売・クーポンの追加付与・送料無料・キャンペーン打ちまくり」など、売上目標のための様々なアイデアが出てきますが、限界利益に変えたとたんに「値引きもクーポンもいいけれど、それなら販売量を増やさないといけない」というように、「利益」への意識が飛躍的に高まります。

さらに、私の経験では、「固定費=限界利益」というシンプルな計算式のおかげで「固定費」にも意識が向くというケースもよくあります。

【要点整理】
チームの限界利益意識を高める

さて、どうですか?

「損益分岐点」の基本的なことを整理しました。

  • 損益分岐点は「黒字と赤字の境目」であること
  • 損益分岐点をクリアしても赤字のケースがあること
  • 損益分岐点売上高による目標設定はナンセンスであること
  • 損益分岐点は「限界利益」と「固定費」の一致点であること
  • 損益分岐点を限界利益ベースで把握し、チームで共有すること

業種によって様々ですが、変動原価(仕入れや外注費、送料やキックバックなど)が、販売に影響する業種業態の場合は、損益分岐点は「売上高」ではなく「限界利益」で把握し、そして、チームで共有することに注意しましょう。

もういちど、冒頭の問いかけ・・・
・「損益分岐点」はいくらですか?
・最近、上がりましたか?下がりましたか?
・先月は、クリアしましたか?
もう「限界利益」でイメージすることに
「違和感」も「疎外感」もありませんよね!

4部-活用編
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII

「もっといい会社」にするためには「もっといい経営者」になればええねん!が口ぐせ。
「経営脳:5つのレイヤー」で体系化した独自のマネジメントメソッドで、10名~200名規模の中小企業経営者を「リセット・コーチング」。
専門は「36カ月の経営計画」「管理会計」「チームビルディング・人事評価・業績連動型賞与制度」。
1999年に創業した自身の税理士事務所を2022年に事業承継し、現在はコーチ専業。
このサイト「Re!」はライフワーク。
「経営者のための思考のインフラ」としてお役に立てるように日々更新。

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