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09:経営計画の盲点|売上は目標利益から逆算する

2026 2/20
2024年8月1日2026年2月20日
H.HORII

「売上は手段」「利益が目的」。
経営計画の目標設定は「利益」。
だから「売上目標」は逆算で決まる。

10人~200人規模の中小企業経営者の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このサイトについて」をまずご覧ください。

「売上高目標」を、どのようにして決めていますか?

前年対比で決める方法や、損益分岐点を目標にする方法、あるいは、業界シェアを基準に決める方法など、それぞれの会社の事情によって、その方法は様々です。

本稿では、中小企業の経営計画(予算)における「必要利益から売上高目標を決める方法」について整理します。

あくまでも利益が目的であり、売上高は手段であるという重要視点です。

「やたら計画に強い経営者」になるための参考にしてみてください。

INDEX

【盲点弱点】
その売上で利益確保できる?

上述したように、売上高目標の決め方には様々な方法があります。

いずれであっても共通して計算しなければならないのは「その売上高で必要利益は確保できるのか?」です。

つまり「利益」までを計算して、正確には「税引前当期純利益」までを計算して、その妥当性を確認する必要があります。

万が一、その売上高では必要とする利益を確保できないのであれば、上方修正しなければなりません。

まずは、売上目標の設定において、この視点が盲点になっていないか?確認しましょう。

あわせて読みたい
08:利益は手段、目的は幸せ、だからもっと稼ぐ! 「利益とは何か?」についてボクの考え方を整理して書き留めておきます。「よい会社作り」のために、経営者は「利益とは何か?」ということについて自分自身の考え方を整理しておくことがとても大切です。

【重要視点】
目標には「理由と根拠」が必要

「予算」は「目標」でもあります。

効果的な「予算管理」を行い、健全な成長をするためには、その目標に「理由と根拠」が必要です。

  • 「なぜ、この目標なのか?」という「理由」
  • 「こうすれば達成できる!」という「根拠」

目標の「理由と根拠」を明確にすることで、経営計画の達成(実現)確率が上がると同時に、経営者の「経営スキル」を上げることにもつながります。

「なぜ、この目標なのか?」という理由に加えて「こうすれば達成できる!」という根拠が必要なのは、「地に足が付いた予算」にするためです。

どれだけ真っ当な理由であっても、その数字が現実離れしていれば、それは、ただの「願望」や「期待」であり「目標」とは似て非なるものになってしまいます。

また、「理由や根拠のない目標」の場合、「クリアしたか、してないか」という達成状況を確認するだけに終わり「何が良かったのか?」「何が悪かったのか?」という「結果の原因」を振り返ることができません。

これでは「経営課題」をピックアップすることができず、なかなか経営レベルは上がりません。

目標の「理由と根拠」を明確にしておくことで

「なぜ、クリアできたのか?」

「なぜ、クリアできなかったのか?」

と、予実ギャップについて具体的に分析することができ、その分析から多くの気付きや学びを得ることができます。

この繰り返しが、経営者の「Layer4:経営実務スキル」を高めていくのです。

【必要利益】
売上高目標の理由を鮮明にする

では、売上高目標の理由はなんでしょうか?

そのひとつが「必要利益」という考え方です。

予算を立てるとき、売上高から組み立てる会社が多いのですが、私の考え方(やり方)は「逆」です。

まず「最終利益の目標を決める」ことから始めます。

「来期、どれだけの利益が必要なのか?」です。

この必要利益の考え方は、会社によって様々ですが、よくあるのは・・・

  • キャッシュフローをプラスにするための必要利益
  • 次の投資(人材・開発・本社移転・エリア拡大・・)のための必要利益
  • 内部留保を厚くするための必要利益
  • 債務超過を脱出するための必要利益

これら以外に

  • 経営者のテンションやモチベーションが上がる利益水準

でも構いません。

いずれにしても「まず利益ありき」の考え方です。

「売上高目標を達成すれば、これだけの利益が出る」ではなく、

「利益がこれだけ必要だから、売上高目標はこれ!」という考え方です。

図解すると下記のようになります。

必要利益から売上高目標を決めるプロセス

この図を計算式で表すと次のようになります。

  • 必要利益+必要固定費=必要限界利益
  • 必要限界利益/限界利益率=売上高目標

という具合です。

【視点転換】
利益が目的、売上は手段

以上、ここまで説明の都合上「売上高目標」と表現してきましたが、実務的には「限界利益目標」とすることをオススメします。

「必要利益を得るために、限界利益目標はいくらに設定するか?」です。

往々にしてよく見かけるのは「売上高目標」をクリアするための「安売り」です。

「売上高」に意識を取られ「限界利益率」が下がってしまっては本末転倒です。

敢えて言うなら「売上は限界利益の手段」にすぎません。

予定より高い限界利益率を確保することができれば、仮に売上高目標が未達でも必要利益を得ることが可能です。

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重要会計指標|「損益分岐点売上高」はナンセンス! 「損益分岐点」をクリアするためにバーゲンセールして逆ザヤ販売!?フタを開ければ赤字!笑ってる場合じゃない! 「損益分岐点」はいくらですか? 最近、上がりました…

【計算実務】
限界利益目標の計算プロセス

念のための補足となりますが、以上のように「必要利益」から「限界利益目標」を計算するので、「固定コスト予算」も必要です。

したがって「予算立案」の実務的なプロセスは、次のようになります。(短期予算=来期予算の場合)

  1. 来期の必要利益(=税引前当期純利益)の決定
  2. 来期の固定費予算を作成
  3. 来期の限界利益目標の算出(=必要利益+固定費予算)
  4. 来期の売上高目標の決定(=限界利益÷限界利益率)

【要点整理】
目的と手段を間違わないこと

中小企業が経営計画(予算)を策定する際の重要視点である「あくまでも利益が目的であり、売上高は手段であること」について整理しました。

  • 目標売上高をクリアしたときの税引前当期純利益を計算すること
  • 目標には「理由と根拠」が必要であること
  • 「必要利益」を「売上高目標の理由」とすること
  • 売上高ではなく限界利益を目標にする方が良いこと
  • 限界利益目標を計算するプロセス

さて、来期の「売上目標・限界利益目標」は妥当ですか?

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中小企業の予算管理|管理会計でPDCAをグルグル回す! 「予算管理」がなければ「管理会計」の効果は半減です。もし「健全な成長」を望むのであれば、迷う必要はありません。

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中小企業の経営計画
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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