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06:経営計画の工夫|長いなら「四半期」で区切る

2026 1/03
2024年10月4日2026年1月3日
H.HORII

「経営計画」が途中でフェードアウトし、結果として「絵に描いた餅」になっている中小企業は少なくありません。

  • 「計画がフェードアウトする」
  • 「目標の未達が多い」
  • 「先送り体質である」

心当たりはありませんか?

私は、このようなクライアントには「クォーターマネジメントを試してみないか?」と提案することにしています。

この手法によって、目標達成率が向上し、年間目標もクリアしやすくなります。

本稿では、この「クォーターマネジメント」のポイントや注意点を整理します。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このWEBサイトについて」をまずご覧ください。

INDEX

【課題確認】
なぜフェードアウトするのか?

中小企業を観察していると、前述もしたように、年間計画がいつの間にかフェードアウトすることが少なくありません。

なぜでしょう?

1年は長いから

公私に関わらず、年初に立てた目標が時間の経過とともに希薄化し、時にはフェードアウトしてしまった経験は誰にでもあると思います。

簡単に言うと「三日坊主的な」、です。

いざ新年度が始まると、考え方や気持ちが変化することもよくあることです。

しかし、それ以上に「実現や達成への想い」が強くない場合、「火が消えてしまう」ことも、よくあることです。

意外と1年は長いものです。

計画とのズレが大きくなるから

経済状況の変化、顧客ニーズの変化、社内リソースの変化など、さまざまな変化が1年を通して起こります。

それが想定外(=計画外)の場合には、計画の前提が変わってしまいます。

当初計画時に想定していなかった経営環境の変化があり、その影響が大きければ、柔軟に計画修正を行えばいいのですが、「そのまま」にしているケースも散見されます。

その理由を観察していると、多くの場合は・・・

「いちいち修正するのは面倒・・・」

「どうせ、また変わるから・・・」

そもそも「経営計画」に対する熱意が、最初から低いからです。

計画通りにコトが進み、達成感や充実感を感じているときはモチベーションもテンションも高いのですが・・・。

こういう「想定外」が続くと、ついに「計画なんて立てても意味がない」と言い始めます。

「それを言っちゃあおしまいよ」、です。

また「行き当たりばったり経営」に逆戻りです。

【メリット】
目標達成の確率が上がる

1年を四半期で区切り、目標を小分けするのがクォーターマネジメントです。

クォーターマネジメントは、上記のような「不都合」を克服するためのフレームワークです。

年間目標を、3カ月ごとの小さなステップに落とし込むことで緊張感も持続しやすくなります。

最大のメリットは、目標をより強く感じることができることです。

「1年後の目標」より「3か月後の目標」という「現実味の強さ」です。

そのために「月次目標」もあるのですが「気持ちの問題」は意外と大きいものです。

例えば、年末までに体重を12キロ落とすという目標。

「1年間で12キロ」というイメージと「3カ月で3キロ」というイメージを比べると「先送りしづらくなる」と思いませんか?

「1年」という時間感覚は「遅れても、まだリカバリする時間がある」と心が緩みがちです。

「クォーターマネジメント」の狙いはこれと同じです。

目標を小分けすることで「達成しやすいハードルに下げる」と同時に「先送り」を防ぎ、「小さな成果」を積み重ねることで「大きな成果」を達成する確率を上げようとする取り組みです。

この習慣を身に付けることで、本来の「計画経営」を取り戻し、「行き当たりばったり経営」から脱出する可能性が飛躍的に高まります。

【注意点!】
2つの重要ポイント

Point1
 四半期は中長期の細分化

クォーターマネジメントの基本は、四半期ごとの目標設定と成果評価ですが、「3か月だけの目標設定」ではありません。

中長期目標→短期(今期)目標→四半期目標というように、中長期目標をクリアするために、行動計画をブレークダウン(細分化)するという考え方(手法)です。

例えば、「3年後の会社のあるべき姿」を設定し、そのために「今期はどこまで進むか」と中間目標としての短期計画を明確にし、それをさらに四半期に小分けします。

その四半期に小分けした目標は、約90日間で実行、達成する目標です。

もしこの段階で「高すぎる」「低すぎる」というように、リアリティに欠けるようであれば、再び「中長期目標」に立ち戻り必要な修正を加えます。

この「四半期と中長期の往復」によって、計画のリアリティー(解像度)が増すので、「夢物語」や「大風呂敷」になることを防ぐことができます。

Point2
 行動計画と数値計画はセット

目標をクリアするために「行動計画」と「数値計画」の両方が必要であることは言うまでもありません。

いずれかが欠けると、「計画っぽい」ものは出来上がりますが、それは「計画」ではありません。

売上や利益などの会計的な数値に加えて、顧客数やメンバーの評価スコアなど、測定可能な「数値計画」を設定することで、目標の達成度を客観的に評価できるようにします。

また、同時にその数値目標をクリアするために、何をすべきか?何をすべきでないか?という「行動計画」を明確にします。

数値計画と行動計画をセットにすることで「結果評価」と「行動評価」が可能になり、課題発見やその後の課題解決の貴重な情報を得ることが可能になります。

【効果効能】
人材育成と経営者の成長

人材育成は
小さな成功体験の積み重ね

クォーターマネジメントは、メンバーの成長にも有効です。

四半期ごとにスキルアップや新しいチャレンジの目標を個々に設定し、その評価とフィードバックを行います。

メンバーのスキルアップ目標も、上述の「1年で12キロ」より「3ヶ月で3キロ」と同様、小分けにした方が「先送り癖」を防ぎ、達成確率を上げることが可能です。

この小さな成功体験の積み重ねが人材育成にとても効果的です。

経営者自身も他人事ではない

経営者自身にとってもクォーターマネジメントは有効です。

上記のメンバーに対する効果は、経営者も例外ではありません。

四半期ごとに自分の学びやスキルアップの目標を設定し、その達成状況を振り返ることで、経営者としての自分を向上させる習慣が身につきます。

【実践手順】
ステップ別チェックリスト

クォーターマネジメントを実践するための具体的なステップを以下にまとめておきます。

Step1:年間目標の設定

  • 中長期目標を設定したか?
  • 短期(今期)目標を決定したか?
  • 年間目標を「数値計画」「行動計画」のセットで整理したか?

Step2:四半期ごとの小分け

  • 年間目標を四半期ごとに分割し、3カ月のスケジュールに落とし込んだか?
  • 「行動計画」を「個人別」に細分したか?
  • 管理会計の予算に登録したか?

Step3:振り返りと軌道修正

  • 月次決算の「予実対比」によって「数値計画」の進捗状況を確認したか?
  • 「実績」を分析し「行動」の課題を抽出したか?
  • 次の四半期に向けて、必要な計画修正を行ったか?

【要点整理】
クォーターで達成率を高める

さて、どうですか?

「クォーターマネジメント」について整理しました。

  • 「計画経営」を取り戻すことができること
  • 実践の2つのポイント
    • 四半期ごとの成果を評価すること
    • 行動計画と数値計画はセットであること
  • メンバーと経営者の成長にも有効であること

このクォーターマネジメントは、目標達成確率が飛躍的にアップするので、「計画がフェードアウトする」「目標の未達が多い」「先送り体質である」などに心当たりがある経営者、会社にとってとても有効な手法です。

「中長期と四半期の往復による整合性チェック」も忘れず、短期&長期のバランスに注意しながら実施してみましょう。

【関連記事】
中小企業の経営計画実践ガイド

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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII

「もっといい会社」にするためには「もっといい経営者」になればええねん!が口ぐせ。
「経営脳:5つのレイヤー」で体系化した独自のマネジメントメソッドで、10名~200名規模の中小企業経営者を「リセット・コーチング」。
専門は「36カ月の経営計画」「管理会計」「チームビルディング・人事評価・業績連動型賞与制度」。
1999年に創業した自身の税理士事務所を2022年に事業承継し、現在はコーチ専業。
このサイト「Re!」はライフワーク。
「経営者のための思考のインフラ」としてお役に立てるように日々更新。

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