管理会計の貸借対照表。
換金価値で計算する「実質純資産」を
モニタリングするために開発された
「経営者のためのバランスシート」
「貸借対照表」を「毎月、見ていますか?」
見てないでしょ?

見てないな、
確かに…
なぜなら、
「損益計算書だけで十分」だからでしょ?
「売上」や「利益」は気になる。
でも
「資産」や「負債」は気にならない。
さらに、顧問税理士も話題にしない。
スポットライトが当たらないから
みんな見ない、存在感すらない…。
でも「貸借対照表」の
「凄さ」や「怖さ」を知れば?
無視できなくなるはずです、たぶん。
そんな「無視できない貸借対照表」を紹介します。
管理会計の「進化型・新型」のBSです。
この記事では「一般的な貸借対照表」を
「経営者が気になるフォーマット」に進化させた
「MA貸借対照表」を紹介します。
- 「創業以来、これまでいくら稼いだか?」
- 「今すぐ解散したら、どうなるか?」
- 「引退するとき、退職金は取れるか?」
あえて、比べると…
「いま、一喜一憂するための損益計算書」と
「将来、一喜一憂するための貸借対照表」の違い。
気になりませんか?



いいプレゼンだ!
(自画自賛)
【様式紹介】MA貸借対照表とは?
「MA貸借対照表」の「MA」は、Management Accounting(管理会計)の頭文字です。



「MA損益計算書」と同じく、
私が考案して命名したものなので、
一般的な名称ではありません。
この進化型BSの「MA貸借対照表」は、「一般的な貸借対照表」を中小企業経営者のために「資産や負債が直感的に分かるフォーマット」に組み替えたものです。
百聞は一見に如かず、まず見てください。


この両者「純資産」は同額です。
でも「中身」が違います。
「一般のBS」では「流動・固定」、
「MA貸借対照表」では「性質別カテゴリー」。
この組み換えだけで「見え方」がガラリと変わりるはずです。
*そもそも「貸借対照表ってなんだ?」って人は、先にこちらを「熟読」してください。


【構造解説】資産・負債の区分
それぞれの区分の内容を見てみましょう。
「MA貸借対照表」の資産は「7区分」、負債は「4区分」です。
それぞれに計上される代表的な科目を例示します。
MA貸借対照表:資産の部
- 現金預金
- 現金
- 普通預金
- 定期預金
- 事業債権
- 受取手形
- 売掛金
- 立替金
- 棚卸資産
- 商品
- 製品
- 仕掛品
- 貯蔵品
- 前渡金(仕入に関わるもの)
- 設備資産
- 土地建物
- 車両運搬具
- 工具器具備品
- ソフトウエア
- 前渡金(設備に関わるもの)
- 財務資産
- 短期貸付金
- 長期貸付金
- 社員貸付金
- 金融資産
- 有価証券
- 投資有価証券
- 生命保険積立金
- 非資金資産
- 前払費用
- 長期前払費用
- 仮払金
MA貸借対照表:負債の部
- 事業債務
- 支払手形
- 買掛金
- 未払金
- 未払費用
- 預り金
- 借入債務
- 短期借入金
- 長期借入金
- 設備未払金
- 引当金等
- 貸倒引当金
- 賞与引当金
- 退職金引当金
- 税金債務
- 未払法人税等
- 未払消費税等
- 仮払消費税等
- 仮受消費税等
- 繰り延べ税金勘定
- 未収税金等(マイナス計上)
関連会社や、経営者個人との取引きがある場合は、さらに「内部資産」「内部負債」などの区分を追加することもあります。
【優位理由】一般のBSの物足りなさ
なぜ「一般的な貸借対照表」では、物足りないのか?
理由はシンプルです。
「流動・固定」という区分が、ピンとこないから。
でしょ?
経営者に、ちょっとガマンしてもらって「じっくり」見てもらえば、こんな声が出てきます。
- 「流動・固定って、そもそも、何なん?」
- 「設備や不動産は分かる、でも有価証券が固定資産って?」
- 「前払費用とか仮払金とか、資産価値なんてないやん?」
- 「固定負債?縁起悪いなあ…固定したくてしてるんと違う」
- 「固定って1年以内なん?でも、長期借入金も返済してるよ」



40年近く、
こんな「クレーム?」を
山盛り聞かされてきました(笑)
このような「経営者の声」が
「流動・固定」を取っ払ってしまおう!と思い、
「MA貸借対照表」を考案するきっかけになりました。
「流動・固定」ではなく
「どんな資産・どんな負債」でカテゴリすれば
「これ、分かりやすいなあ」という声に。
「流動資産」と「流動負債」を比べて
「流動比率が~」と言うより、
「事業債権」と「事業債務」を比べて
「資金繰りが~」と言う方が分かりやすいはず。
同じように…
- 「現金預金」と「借入債務」を比べる方が
- 「事業債務」と「税金債務」を分離する方が
- 「実際に支払う事業債務」と「念のための引当金」も分離
…という具合です。
これなら「見たくなる」ハズです。
いや、経営者なら「自社のこの状態」を知っておくべきです。
「流動・固定」では、見えない「財務状態」が
「MA貸借対照表」なら、見える!と思います。
でも、これでも
「わからんなあ」という経営者がいます。
それに返す言葉は…「習うより慣れろ!」。
管理会計を実装して、毎月チェックすれば、慣れます=見えるようになります。



難しい英語も、
しばらく現地滞在すれば
話せるようになるみたいな、です。
(しゃべれへんけど)
【重要指標】
実質純資産を計算する
「MA貸借対照表」の重要指標は「実質純資産」です。
言い換えれば「会社の換金価値」。
今、会社を解散清算したら、
手元にいくらのキャッシュが残るか?
資産をすべて換金し、
負債をすべて返済して残る「おつり」。
「一般的な貸借対照表」では、分からない
「実質純資産」が
「MA貸借対照表」なら「ざっくり」把握できます。
例えば、こんな感じです。
資産の区分ごとに「おおよその評価率(換金率)」を乗じて集計すれば「ざっくり分かる」という仕組みです。
| 帳簿価格 | 評価率 | 換金価値 | |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 2,000 | 100% | 2,000 |
| 事業債権 | 8,000 | 100% | 8,000 |
| 棚卸資産 | 2,000 | 0 | |
| 設備資産 | 20,000 | 50% | 10,000 |
| 財務資産 | 5,000 | 100% | 5,000 |
| 金融資産 | 10,000 | 100% | 10,000 |
| 非資金資産 | 3,000 | 0 | |
| 資産合計 | 50,000 | 35,000 | |
| 負債合計 | 40,000 | 100% | 40,000 |
| 純資産 =内部留保 | 簿価 10,000 | 実質 ▲5,000 | |
| *自己資本比率 | 20%! | 債務超過 |
おそらく、この会社の「一般的な貸借対照表」を見た「会計を知らない人たち」は「自己資本比率が20%で安全です」と評価するでしょう。
しかし、実質はどうか?
「債務超過やん!」です。
「BSをそのまま鵜呑み」はダメです。
「簿価純資産」と
「実質純資産」には
「差」があります。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。


【要点整理】
BSが目的なら、PLは手段
さて、どうでしたか?
管理会計の進化型BSである「MA貸借対照表」を紹介しました。
ポイントを整理します。
- 「一般的な貸借対照表」は外部報告用なので、経営者はピンとこない
- 「MA貸借対照表」は性質別カテゴリーで組み替えた経営者のためのBS
- 基本形は、資産7区分、負債4区分
- 「実質純資産」を常にチェックできる!
「MA損益計算書」で収益構造を見て、
「MA貸借対照表」で財務状態を見る。
毎期「損益計算書」で計上される
「税引後当期純利益」が
「純資産=内部留保」に加算されていきます。
そういう意味で…
「貸借対照表」を目的とすると
「損益計算書」は手段と言えます。
いつも「損益計算書」しか見てない経営者は
「目的なき手段」で一喜一憂している、
と言えば、言い過ぎでしょうか?
でも、そう「あおりたくなる」くらい大切な話です。
今月からは、
必ず「BS+PL」のセットでチェックしましょう。
それだけでも、かなり「会計力」は高くなりますよ!
お役に立ちますように!










