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05:経営者の「埋没費用」:アタマの中の不良在庫

2026 3/17
2026年3月18日
H.HORII

うすうす「失敗した」と気付いてる。
でも、今まで投下した
「資金」も「時間」もバカにならない。
諦められなし、
捨てるにはもったいない。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

「埋没費用」って聞いたことはありますか?

「サンクコスト(Sunk Cost)」とも言います。

「期待効果が見込めない過去の投資」です。

これまで投資した資金や時間、労力。

陽の目を見ることなく「埋没」してしまった、って意味ですね。

もう回収できない。

この話、ビジネスに限った話ではありません。

たとえば…

「飛び切りうまいカレーを作ろう!」と思って、高い材料を買い込み、一生懸命作り、楽しみにして煮込む。

数時間後、いよいよ!と思って「味見」

「ん?マズイ…」

まさか。

さて、どうしますか?

ここまで投下した材料と時間と労力、そして気持ち。

そんな「熱い気持ち」まで投資したのに「マズイ」。

このまま投資は「埋没」してしまうのか…。

選択肢はふたつ。

  • ウマくなるまで投資を続ける
  • いったん捨て、新たに作り直す

…さて、どっち?

INDEX

【未来選択】
未練を捨てて頭の余白を拡げる

これは
「気持ち(ココロ)の話」と共に
「アタマの使い方の話」でもあるので、
本題に入る前に
「在庫の話」で「準備運動」をしましょう。

たくさんの「在庫」が「倉庫」にストックしてあります。

「倉庫のキャパ」はもうわずかです。

「新しい在庫」を入れる余地がもうありません。

ところが「古い在庫」は、人気がなく、なかなか売れません。

「新しい在庫」なら、今が売り時なのに、です。

「不良在庫」で「倉庫」がいっぱいの状態。

「1億円で仕入れたから捨てられない」

「今処分すれば、7000万円の損失が確定」

損は生じるけど、資金は増える!

「埋没費用」の話は、この「倉庫と在庫の話」にそっくりです。

「アタマの中の不良在庫」を捨てて
「スペース」を空けて
「新しい在庫」に入れ替える。

そうすると
「次のチャンスを活かせる!」って話です。

どうかな?この「たとえ」

「倉庫=アタマ」には
「売れる在庫」が入る余地を常に残しておく。

そのために
「パンパンにはしない」のはもちろん、
「売れない在庫」は、さっさと処分する。

「未練」はあるけど、それは「過去」。

「未来」のために
「未練」を捨てる。

「損して得取れ」

・・・ってことで・・・

本題に入りましょう。

【心頭刷新】
今日が一番オトクなやめ時!

もう、ここで諦めたほうがいいって?
とやかく言われなくても、誰よりも分かっている。
でも、ここまでの苦労は、誰も分かってくれない。
資金、時間、労力、そして気持ち。
そんなに簡単に捨てられないよ。
諦めきれない…

「未練」って、こんな感じですよね。

この「未練」を断ち切るための最善策は、
この「未練の正体」を知ること。

  • 経済的な損失を確定させたくない
  • 心理的に失敗を認めたくない
  • 社内外の評価を落としたくない
  • 関係者に謝罪したくない
  • もう少しでひょっとするかも知れない

これらの感情が入り乱れた状態です、たぶん。

一言で言えば「確定の先送り」です。

また、その多くは、先送りすればするほど損失は拡大していく。

「今日が一番オトクなやめ時」の可能性の方が高い。

そんなこと、
アタマでは分かつてるのに
ココロが分かってくれない。

ジレンマ。

個人的なことなら、気が済むまでウジウジしてればいいです。

でも「経営」で、それは許されない。

ね、分かっていますよね、
「どうすべきか?」

皆まで言うな!でしょ?

【余白拡張】
アタマを上手に使う!

売れない在庫でいっぱいになった倉庫。

売れる在庫を仕入れるためにすることは?

  • 倉庫を拡張するか?
  • 不良在庫を処分するか?

余計なことでいっぱいになったアタマ。

これから先のためにすることは?

  • アタマを拡張するか?
  • 余計なことを捨てるか?

同じです。

限られたスペースを
どれだけ上手に使うか?
です。

失敗したカレー、これ以上、手を加えても美味くなるか分からない。
もはや「カレー」ではなく「泥沼」になる可能性の方が高い。
だったら、失敗から学び、やり方を変えて再チャレンジ。

【判断基準】
捨てるための3つの自問自答

捨てるか?捨てないか?

迷ったら次の3つを自問自答することです。

  • 資金、時間、さらに労力まで追加すれば「投資回収」できるか?
  • 追加投資は、他に比べても最優先かつ最適か?
  • 「私心なかりしか」、合理的判断か?

答えが出たら、いったん社内外の関係者に意見を聞いてみる。

ひとりなら、
まだ「やめない言い訳」の可能性があるから。

その上で「継続」なら、
「マズイカレーに追加投資」する。

でも「中断・撤退・廃業」なら、
「ウマイカレーに新規投資」か
「もうカレーはあきらめる」。

さて「ココロ」を制御するロジックは「アタマ」に入りましたか?

【本質危機】
未練たらしい経営者という評価

もう「埋没費用に囚われること」はなくなりそうですか?

これ以上の期待効果が見込めない「過去投資」は、「アタマの不良在庫」。

「限られたスペース」をムダ遣いしてしまいます。

「不良在庫」は、さっさと処分して
「優良在庫」に入れ替える。

この「アタマの余裕」が、パフォーマンスにどれだけ大切か?は、これ以上説明はいらないでしょう。

あと、最後に、この話の「本質的リスク」を書き加えておきます。

それは
「決断できない、未練たらしい経営者」という社内外の評価です。

埋没費用にレバレッジが効いてしまう。

会社に関わる人たちからの期待や信用、信頼。

それを失いかねない、ということも忘れないようにしましょう。

ね?もう、大丈夫ですよね!

お役に立たちますように。

3部-実践編
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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