中小企業の組織作りのための必修スキル「チームビルディング力」について整理します。
「最高の経営者人生」を送るためには
「もっといい会社」に成長すればいい。
「もっといい会社」に成長するために
「もっといいチーム」を作ればいい。
「もっといいチーム」を作るために
「もっといい経営者」にアップデートすればいい。
そのための手段が「チームビルディング力」。
その目的は「最高の経営者人生」。
この視点をもって読み進めてください。
「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このWEBサイトについて」をまずご覧ください。
【戦略視点】
「個人」ではなく「チーム」
「組織戦略」の軸は「人的資本経営」。
人材は「資源」ではなく「資本」という考え方です。
消費ではなく、投資。
その「投資視点」は、「人」ではなく「チーム」。
「いい人材を育てる」ではなく
「いいチームを作る」です。
どれだけ優秀な個人を採用し、育成しても、それが「チーム力」に結びつかなければ、労使両者とも残念な結果になります。

スポーツの世界でよく見かけますね。
スーパースターを集めたチームが必ずしも強いわけではない。
反対に、特に目立ったスター選手はいなくても「チームワーク」で勝ち続けるチームがあります。
「個」ではなく「チーム」。
まず、この「チーム作り」の視点を共有してから本題に入りましょう。
【組成方針】
チームは「掛け算」で育てる
「チームビルディング力」は、「レイヤー4:スキル:経営実務スキル」の大切なひとつです。
「理念の実現のためにチームを最適化するチカラ」
みんなが幸せそうな「いい会社」はもれなく「いいチーム」です。
メンバー間の意思疎通、情報共有、連携やサポートを通じて成果を出し続けています。
そんな「いいチーム=理想のチーム」の特徴は「掛け算」であること。
相互理解、相互連携、相互支援、相互学習・・・
- 「お互いが認め合う」
- 「お互いが支えあう」
- 「お互いが学びあう」
そして・・・ - 「お互いが邪魔しない」
「優秀な人材」の「足し算」に比べて
「普通の人材」の「掛け算」の方が、パフォーマンスがイイ。
もちろん、理想は「優秀な人材の掛け算」ですが、少々現実味がない。
いろいろ制約がある中小企業においては、「普通の人材」でいいので「掛け算効果」を狙うこと。
これが大切だと思います。
このような「仕組み」を、設計し、マネジメントし「掛け算効果」を最大化する。
「個人視点」は「足し算」、
「チーム視点」は「掛け算」。
「最高のチーム=理想のチームを作ろう!」というゴールにおいて、とても大切な「掛け算の考え方」です。
- 個々の人材に投資して「要素の最適化」
- チームに投資して「掛け算の最適化」
これが「人的資本経営」を軸にする「チームビルディング力」の重要2視点です。
【力量不足】
残念なチームになってしまう
会社でおきる様々な不都合。
その本質的な原因が「経営者のチームビルディング力」であることが少なくありません。
自社で起きている不都合は、他責ではなく、自責で考えることがとても重要です。
下記に典型的な例を示すので、チェックしてみてください。
よく聞く経営者のグチ
- 忙しい!
- 何度言っても変わらない!
- 何もかも自分がやらなければならない!
- 人が足りない!
- 人材育成が進まない!
よく見かける経営者の行動
- その場しのぎの場当たり的な配置転換
- 社外研修への依存
- 部門長への過剰な依存
- スキルではなく、勤続年数や年齢で役職者を任命
- 形式的なピラミッド組織、実態は「ナベブタ組織」
統治・統制の不備
- ルールが明文化されておらず、公式か非公式かも不明
- 自然発生的な慣習が暗黙のルールになっている
- 「ルール破り」の目撃者も黙秘で共犯者化
- 「ルール破り」をしてもお咎めなし
- 「公式発表」がなく「うわさ」の伝言ゲームで情報が伝わっていく
- 「部長」と「マネージャー」と「リーダー」、だれが一番偉いかあいまい
これらは、たまたま私が見かけた事例ですが、似たり寄ったりのことがあるのが、中小企業の特徴でもあります。
これらの不都合を放置していると、いつまでたっても「いい会社」にはなりません。



私が「治安がワルイ会社やなあ」と指摘しても
「どこも、こんなもんじゃないの?」という経営者が少なくない・・・
そんなとき、私は「こりゃだめだ」と、距離を置くことにしています(笑)。
【自問自答】
やるべきことをやってるか?
「チームビルディング力」と、ビジネス用語でお話ししていますが、要は「エエチームの作り方」。
「エエチーム」であれば、「ヘンなストレス」は少なくなり、何より「気持ちよく仕事ができる」。
「エエメンバー」たちと、目標を共有して、お互いが助け合って、一生懸命頑張る。
「ぜったい、その方がエエやん」と思います。
こんな「エエかんじ」の会社を作るためのチェックリストを紹介します。
「解決すべき課題」がないかを確認してみてください。
チームの最適化
- 理想のチームを可視化できているだろうか?
- 各ポジションに求められるスキル要件はリスト化しているだろうか?
- 不足しているポジションの採用活動を行っているだろうか?
- 適材適所は実施できているだろうか?
- 理想のチーム像は、全員で共有できているだろうか?
目標設定と共有
- 企業理念は明確で、チームの共感や賛同を得ているだろうか?
- 目標は明確で、チームで共有され、コミットメントされているだろうか?
- 目標を達成するための戦略は共有され、個々のメンバーは自身の役割を正しく理解しているだろうか?
組織設計
- 役職者の名称と権限が定義され、イメージしやすいものになっているだろうか?
- 社内ルールは明文化され、いつでもアクセスしやすい状態で共有されているだろうか?
- 不正が起きないように相互牽制は効いているだろうか?
部門運営
- 自分と部門長との意思疎通は健全かつ円滑だろうか?
- 部門長相互間の意思疎通に課題はないだろうか?
信頼関係とモチベーション
- 自分自身を含め、チーム内の相互信頼感に課題はないだろうか?
- チームメンバーのモチベーションに課題はないだろうか?
- モチベートの方法に間違いはないだろうか?
成長支援
- チームのための「個の育成」という視点を忘れていないだろうか?
- 評価制度は適切に運用できているだろうか?
- メンバー間で、お互いの成長をサポートする意識と行動がなされているだろうか?
リーダー
- リーダーとは何か、定義できているだろうか?
- 必要なポジションにリーダークラスを配置しているだろうか?
- リーダーは育っているだろうか?
- リーダーはメンバーを育てているだろうか?
【自主トレ】
チームビルディング力の強化
トレーニングの参考として、私のコーチング現場での取り組みを紹介します。
コーチングの本質的な目的は「経営者の考動を整えるサポート」であり、「代行」や「正解提示」ではありません。



私は
「魚は売らへんけど、ウマい魚の釣り方を一緒に考えよぅ」
というスタンスです。
経営者の考え方が整えば、行動が改善する。
行動が改善すれば、結果が変わる・・・このロジック。
Step1:前提条件を整える
まずは、前提条件を確認しておきましょう。


「L1:スキル」の前提条件とは、
経営脳の5つのレイヤーで紹介している
「L1:マインドセット」
「L2:フィジカル」
「L3:メンタル」という3つです。
うまく行かない原因は「L4:スキル」ではないかも?です。
- マインドセット
- ホンネでは「みんなの幸せ」を強く感じていない
- 会社経営に使命感をあまり感じていない
- 最高のチーム?ムリやろ、そんなん・・・
- フィジカル
最近、体調がよくない・・・ - メンタル
最近、モチベーションが低い・・・
もし、下位レイヤーに、このような課題があるならば、「L4:スキル」の前にこれらの解決を優先しなければなりません。
Step2:ゴールを鮮明にする
前提条件に問題がなければ、具体的な「チームビルディング力」のトレーニングです。
まず「ゴールを鮮明にする」ことから。
「チームビルディング力が高い自分とは?」。
例えば・・・
- 企業理念や事業目的、そして目標を、チームに正しく浸透し、共感や賛同を得ているジブン
- チームを上手にモチベートしているジブン
- 各セクションのリーダーたちと、うまく連携しているジブン
- 各メンバーと個別に信頼関係を保っているジブン
このように「チーム作りが上手なジブン」を具体的にイメージしてみましょう。
Step3:ドリームチームを可視化する
「ジブンのゴール」の次は「チームのゴール」。
自分にとって、どんなチームがベストなのか?のイメージ。
そのコツは「白紙から」です。
現メンバーを考慮すると、それが前提条件になってしまい、ベストではなくベターな案しか出てきません。
現メンバーをどのように配置するか?ではなく、ドリームチームにはどんな人材が必要か?をゼロベースで可視化します。
パッチワークによる「とりあえずの解決策」ではなく、いったんリセットし「本質的な最適解」をイメージする思考習慣のためのトレーニングでもあります。
この「最適解」と「現状」を比較し、「何が足りないか?」をリストアップすると「課題リスト」が完成します。
この「課題リスト」を粛々と、コツコツと、ひとつづつ丁寧に解決していく、という地道な考動が、もっとも「効果的」です。
なぜなら、「応急処置」ではなく「根本治療」だからです。
Step4:「最適か?」の自問自答を習慣化
チームは「生もの」であり、変化するものです。
その変化に応じて、常に「最適か?」をモニタリングする必要があります。
「チーム」は、人の集団であり、そういう意味で「チームもヒト」です。
「ヒトの課題」は、「早期発見・早期治療」が欠かせません。
「小さな課題」が「大きなリスク」に発展する前に、ていねいに摘み取っていく。
常に「チーム状態はベストか?」をチェック。
そして、見つけた課題はさっさと解決する。
この「習慣」が、本当の「チームビルディング力」となり、「経営者自身の戦力値」をどんどん高めていきます。
【要点整理】
最高のチームリーダーになる
さて、どうですか?
経営脳の5つのレイヤーの「第4レイヤー:スキル」のひとつである「経営者のチームビルディング力」について整理しました。
- 組織戦略の視点では「個」ではなく「チーム」に投資する
- チームビルディング力とは、理念実現や目標達成のためチームを最適化するチカラ
- このスキルが不足すると様々な経営上の不都合が起きる
- セルフチェックで「解決すべき課題」を発見する
- トレーニングは「ドリームチームの可視化」と「最適か?の習慣化」



想像してみてください。
個々のメンバーが目的と役割を正しく理解し、お互いがサポートしあうことで、チームのパフォーマンスは高く、常に最適化されている状態。
あなたは、このような「最高のチームの最高のリーダー」です。
「チームビルディング力」は、必修経営スキルのひとつ。
今後、ますます深刻化するであろう「人手不足対策」としても優先順位の高いスキルです。
お役に立ちますように!
「何のためのチームか?」を見失わないように!
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3部:採用編
このWEBサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。
特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。
お察しのとおり、このWEBサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。
すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。
また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。
このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのWEBサイトでは書けません。
「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。

