オーナー型中小企業の経営者が、限られた時間の制約の中で、回り道することなく「上手に成長」するためには「順序」があります。
その順序が違ったり、途中を雑にしたり、飛ばしてしまうと、多くは「努力した割には、成長の実感がない」という自覚症状に凹みます。
その順序とは、次のプロセスです。
- プロセス1:成長の目的を明確にする
- プロセス2:自分の目的と会社の目的を合わせる
- プロセス3:目的の実現方法を具体化する
- プロセス4:実行するためのトレーニングをする
あなたが「上手に成長」するため「ヌケモレ」がないか確認してみてください。
【プロセス1】
成長の目的を明確にする
中小企業経営者が、上手に成長するために最初にすることは「成長の目的」を明確にすることです。
上手に成長できない人を観察してると、この「成長の目的」を勘違いしていたり、あるいは、そもそもボンヤリしてる人が多いものです。
「何のために成長するのか?」
- 会社を大きくするため
- お金持ちになるため
- 有名になるため
様々な「ため」がありますが、これらの多くは、本人も気付いていない「勘違い」です。
その典型的なケース。
- 会社は大きくなったけど
- お金持ちにはなったけど
- 有名にはなったけど
様々な「ため」が、いつの間にか「けど」に変わってしまうことが少なくありません。
この「けど」の続きには
「・・・したけど、物足りない」
「・・・したけど、楽しくない」
つまり「目的と思ってたこと」を実現したり、達成したりしたのに「幸せ」じゃない。
「目的」じゃなかったんですね。
よくある「目的と手段の混同現象」です。
つまり、「目的」は「幸せな人生」のはずです。
会社を大きくする、お金持ちになる、有名になるというのは、その「手段」ですね。
「上手に成長」するために、最初に大切なのは
「ジブンにとっての幸せとは何か?」を明確にすることです。
そのうえで
たとえば「会社が大きくなれば幸せ」ということに間違いがなければ、それは「勘違い」ではなく、正しい「成長の目的」になります。
そうすれば
「会社が大きくなれば、最高の幸せ感」を感じるので、上記の「けど」を感じることはないでしょう。
ところが、よく考えると
「50歳でリタイアして、そのあとは家族と自由な時間を過ごすことが目指す本当の幸せ」だった。
もし、このような「ジブンのホンネ」を見つけることができれば、その手段は「大きい会社」ではなく「50歳でリタイアできる会社」ということになります。
上手に成長する経営者は、「ホンネの幸せ感」を明確にし、そして大切にしています。
「会社をどうするか?」ということを「目的」にせず、最高の人生を歩むための「手段」としてとらえています。
「会社を拡大すること」も
「コンパクトな会社にすること」も、
「大きな利益を出すこと」も
「ほどほどの利益で充分なこと」も、
「有名になること」も
「社会的に目立たないこと」も、
それぞれ「目的」ではなく
「幸せのための手段」であり、
「オーナー経営者」の「人生の選択」です。
「上手に成長」するための、最初のプロセス。
「なぜ成長するのか?」の答えを
「幸せな人生」を目的として考えること。
その「目的」のための「手段」は何か?を明確にすることがとても大切です。
【プロセス2】
自分と会社の目的を合わせる
プロセス1で、
「自分の目的」は「最高に幸せな人生」であることを明確にしました。
プロセス2は、
「会社の目的」が「自分の目的」と合致しているか?の確認です。
たとえば、「コンパクトな会社が自分の幸せ」なのに「会社の事業目的が拡大路線」であれば矛盾しています。
オーナー型中小企業では、経営者と会社は表裏一体です。
会社経営は経営者の人生そのものと言っても過言ではないでしょう。
改めて自問自答してみましょう。
「何のために会社を経営しているのか?」
「会社のために自分を犠牲にしていないか?」
「会社を経営したいという思いに偽りはないか?」
「会社と自分が分離していないか?」
会社経営は、経営者の人生目的を実現するための「手段」です。
もし会社がその人生目的をジャマする状態になっていれば、本末転倒。
どんどん「ホンネとタテマエ」の距離が大きくなってしまいます。
体感難易度が高い「シンドイ経営」が、いずれ「シンドイ人生」になってしまいます。
おせっかいが嫌いな私ですら「それはアカン!」と言いたくなります。
仮に「シンドイ経営」が続いても、「目的」が合致していて、その先に「最高の人生」が待ってくれているなら、それは「苦労」ではなく「やりがい」になるはずです。
「自分と会社の目指す目的は合致しているか?」
上手に成長する経営者が「プロセス2」で明確にしている大切なことです。
【プロセス3】
目的の実現方法を具体化する
次は「会社の目的を実現するための手段設計」。
いわゆる「経営計画」です。
すでに、プロセス2で目的は合致しているので「会社の経営計画」は、実質的に「経営者の人生計画」でもあります。
「会社の目的を実現するために、どうするか」
人生の目的を、会社の目的に書き換えると
「企業理念」が出来上がります。
「企業理念」を実現するために
「戦略」を立てます。
その「戦略」の具体的実行策が「経営計画」。
このステップを逆さに書くと・・・
「経営計画」を実行すると
「戦略的経営」が進み
「企業理念」が実現します。
「企業理念」の実現は、
すなわち「人生目的」の実現。
「会社経営によって最高の人生が送れる」、というロジックです。
「経営計画」は、「上手な成長」のプロセス上にあるツールです。
「経営計画」を作り、必ず「この計画を実行すれば、自分の人生目的は実現するか?」の確認が必要です。
もし乖離があれば、計画修正の必要があります。
「経営計画」は「人生計画」。
絶対に外せない3つ目のプロセスです。
【プロセス4】
実行のためのトレーニング
「完璧な経営計画」であっても、それが「絵に描いた餅」になることがあります。
その理由は、計画の中に「できないこと」があるからです。
計画に書いてあることがすべて実行できれば、目的や目標は実現、達成できるはずです。
しかし、計画通りに進まなかったり、途中でフェードアウトしてしまうことがあります。
その原因は「経営者のチカラ不足」です。
天災やパンデミックなど、想定を超える「何か」が起きない限り、計画未実現の原因は「経営者」です。
どうすればいいか?
「やりたいこと」「やるべきこと」を
「できること」にすればいいのです。
それが「どうしてもできない」のであれば、残念ながら「人生の目的の難易度を下げる」という選択をしなければなりません。
つまり「計画の練り直し」です。
しかし、
「人生の目的を下げるわけにはいかない!」なら、
「できるジブン」に成長する。
さて、どっちに寄せるか?
できる計画に修正するか?
できる自分に成長するか?
この選択基準も「どっちが幸せか?」です。
「最高の人生を送るために、さらに成長する」
もし、成長を選択するなら、トレーニングあるのみ。
とはいえ、「上手な成長」は「楽な成長」という意味ではありません。
「幸せやな~」と感じるために、
ときには「シンドイ・トレーニング」が必要です。
・・・やっぱりシンドイ・・・。
また、選択を迫られます。
このときに、前進するか、後退するか。
その分岐点は、次にお話しする「動機」にかかっています。
【やりたいか】
成長の動機は「欲求」か?
「最高に幸せな人生」を目指すプロセスには「シンドイ」ことが必ずといっていいほどあります。
トップアスリートのインタビューでも「何度もやめようと思った」という話がよくでてきます。
なぜ、やめずに「シンドイ・プロセス」をクリアできたのか?
その差は「成長の動機」だと思います。
その「動機」が「欲求」なのか「義務」なのか。
「やらねば!」という義務的な動機は一時的な推進力になっても、長続きしません。
それに対して
「やりたい!」という本音の欲求に基づく動機であれば、多少の困難はクリアするチカラとなります。
あらためて「プロセス1」を再考。
「望んでいないことを目的にしていないか?」
「これは本当に自分が望むことなのか?」
「本当に望んでいることは変化していないか?」
この自問自答が「欲求動機」の「本当の人生目的」を鮮明にしてくれます。
「なぜ、成長したいのか?」
この答えは、常に「幸せになりたいから」のはずなのです。
【要点の整理】
幸せでありたい
さて、どうでしょう?
「上手に成長」するための4つのプロセスを確認しました。
- プロセス1
成長の目的を明確にする
ジブンにとっての幸せとは何か? - プロセス2
自分の目的と会社の目的を合わせる
会社の目的を実現すれば、ジブンは幸せになれるか? - プロセス3
目的の実現方法を具体化する
どうすれば目的を実現できるか? - プロセス4
実行するためのトレーニングをする
計画を実行する力量は足りているか?
さらに、
成長の動機は「義務」ではなく「欲求」か?
「やらねば!」ではなく「やりたい!」。
「なぜ、成長したいのか?」
その答えは、
常に「幸福でありたい」のはずです。
意外と短い人生。
回り道することなく、
上手に成長、いや、
上手に幸せになりましょう。
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