周囲に惑わされない=「経営者にとってのいい会社」とは?

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


あなたにとって「いい会社」って、どんな会社ですか?

あなたが「目指している会社」って、どんな会社ですか?

誰に対しても分かりやすくプレゼンテーションができるように、鮮明に言語化できていますか?

あなたのプレゼンを聞いた人は「なるほど!確かにいい会社だ」と、正しく理解してくれるでしょうか?

原点回帰、本稿では「経営者にとってのいい会社とは?」について整理します。

この話は、経営脳の自主トレにとってのスタートラインでもあります。今一度、自問自答のきっかけにしてみてください。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

周りに惑わされる必要はない

オーナー企業がほとんどの中小企業において「いい会社」のイメージ、つまり「何をゴールにするか?」は、誰にも制約されない「自由」です。

例えば、世間一般では「規模的拡大」や「高収益」などに対する様々な意見や、その他の評価軸がありますが、それに合わせる必要はありません。

「自分の会社」なので、周りに惑わされる必要はない、というのが私の考えです。

やりたいように、好きにすればいい

オーナー経営者は、やりたいように、好きにすればいいのです。

  • 規模を拡大するかどうか?
  • より大きな利益を追求するかどうか?
  • どんどんメンバーを増やすかどうか?
  • 多様性を認めるかどうか?
  • デジタル推進するかどうか?
  • 環境に優しくなるかどうか?
  • 高待遇にするかどうか?
  • 福利厚生を充実させるかどうか?

世間の評価は、これらの問いに対して「やるべき」という意見の方が多いと思います。

また、これらを推進している会社を「いい会社」と評価することが多いでしょう。

しかし、です。

もし、これらのテーマに対して「自分は違う」と思うのであれば、ムリする必要はありません。

もし、これらの意見や評価に惑わされてムリすれば、どこかでその歪が「経営上の不都合」となって表れます。

「自分は違う」と思うテーマは、往々にして「不得手なこと」です。

経営トップが、本意に反して不得手なことに取り組んでもロクなことがありません。

多くの場合、経営トップがホンネで好きなことを上機嫌で実行する方が良い結果を産みます。

古くから言われている「好きこそものの上手なれ」ですね。

(関連記事)想い通りに生きる経営者のための「人生計画」の重要視点

ただし、忘れてはならないこと

「やりたいように、好きなようすればいい」という理由は、上述したように「好きこそものの上手なれ」だからです。

ただし、忘れてはならないのは、この考えは「諸刃の剣」であることです。

経営の原理原則が大前提です。

「関わる人たちの持続的な幸せ」が会社経営の目的であり、それが「筋」であり「道理」であるという「経営の原理原則」が「やりたいように、好きなように」の大前提です。

経営トップが、やりたいように、好きなようにやった結果、チームのメンバーや取引先、さらに社会に対して迷惑が掛かってしまえば「本末転倒」です。それでは「ただの暴君」になってしまいます。

「やりたいこと」「好きなこと」が、仮に、巻き込む人たちを「幸せ」にすることができなくても、せめて「不幸」にはしないことです。

  • 規模を拡大しなくても
  • より大きな利益を追求しなくても
  • どんどんメンバーを増やさなくても
  • 多様性を認めなくても
  • デジタル推進しなくても
  • 環境に優しくしなくても
  • 高待遇にしなくても
  • 福利厚生を充実させなくても

それで、周りの人たちに迷惑がかかったり、過度な負担や我慢を強いたりすることにならなければ「オッケー」です。「自分にとってのいい会社」として、堂々と周囲にプレゼンしてください。

しかし、これらのテーマについて中長期視点でよ~く考えた結果、「誰かに迷惑を掛ける自分勝手な経営」になるなら「アウト」です。

「自分にとってのいい会社」を鮮明にする過程で「経営の原理原則」を忘れてはなりません。

(参考記事)持続的に正しく成長するための「経営の原理原則」

例えば「最強の中小企業」という概念

サンプルとして、ひとつ例示します。

このサンプルは、あなたにとって「いい会社」でしょうか?

  • メンバーの定着率がよく、気心の知れた20名程度のチーム
  • 売上高は、数年間横ばいで安定
  • 競争優位な品質を維持する技術力(サービス力)がある
  • 高収益ではないが、世間並みの給与賞与
  • 万が一に備えて固定費1年分の内部留保を確保
  • 今後、増収も増益も増員も目指さない=現状維持が目標

どうですか?

私は、オーナー経営者にとって、これが「いい会社」なら、文句なしでは?と思います。

しかし、マネジメントコーチとしての心配事がないわけではありません。

その心配とは「10年後、20年後に備えて、準備しておくことはない?」です。

この経営者が、年齢を重ね「そろそろ引退かな?」と感じた時の「出口の準備」は大丈夫かな?です。

そんな「おせっかい」に対して、「大丈夫、後継者は複数人育ってるよ」という回答があればいいのですが、もし「そこまで先のことは考えてない・考える必要はない」という回答であれば、「NG!」と苦言を呈します。

「真のいい会社」は「出口もいい会社」であり、長期的な視点がとても重要です。

なぜなら、経営者の出口の失敗は「気付いたときは手遅れ」になることがほとんどです。

現在、日本の中小企業において「後継者問題」が社会的課題になっていますが、そのほとんどは「手遅れ」なのです。

高度成長期や好景気時代には「いい会社」だったのに、気付けば後継者問題で「よくない会社」になってしまっているケースが後を絶ちません。

「最後(経営者の引退時)までいい会社」であり続ける会社が「最強の中小企業」だと私は思います。

後継者がいなくて廃業せざるを得ないとき、その時点でのメンバーはどこへ行くのか?頼りにしてくれていた顧客はどうすればいいのか?取引解消になって困る仕入先や外注先はないか?など、好調時に想定しておくべきことがたくさんあります。

「その時が来たらM&A=売却するよ」と安易に考えている経営者も少なくありませんが、その多くは「必ず買ってもらえる」と根拠のない自信を持っています。

これらは「今日の明日」というわけにいかないテーマなので、中長期視点で対策を講じておくことがとても重要です。

「今、いい会社」が「将来もいい会社」であり続けるために、何をするべきか?何をしないべきか?を考え、課題はないか?をセルフチェックした上で「最強の中小企業」をイメージしてみてください。

(関連記事)経営者の引退・・「出口」を知らない経営者はいずれ後悔する

まとめ

さて、どうですか?「自分にとってのいい会社=最強の中小企業」のイメージについて整理しました。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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