決算書、毎年見てる。
顧問税理士から説明も受けている。
でも、記憶にあるのは「利益と税金」だけ。
知ってるけど、読めない決算書…。
決算書(貸借対照表と損益計算書)って
「知ってるのに、読めない」と思いませんか?

さすがに、
知らないはずはない
「決算書、読める?」
ーー「うん、知ってるよ!」
「いや、読める?って聞いてるけど?」
ーー「え?…」
こんな感じです。
この話をすると、ほとんどの経営者の顔が曇ります。
でも、読めないからといって、困ることもない。
だから、仕方がない?
いやいや!「仕方がない」で済ませられません!
なぜなら「経営者」だからです。
【現実確認】
誰も決算書を心配してない
案外、気付いてないと思いますが
「中小企業の決算書」って「非公開」だから
「身近な人と共有すること」がありません。
顧問税理士から強く
「読みなさい!」って言われたことありますか?
もし、そのような税理士さんなら、
とても信頼できる方だと思います。
でも、多くは
「PL→課税所得→納税額」を説明して
オシマイでは?
金融機関も、税務署も、
わざわざ「評価」を教えてくれないし
当然ですが「心配」なんてしてくれるはずがない。
「心配」してるのは
「貸しても大丈夫かな?」とか
「納税は正しいかな?」です。
彼らは
「この決算書、ヤバいな」と思えば
「融資を断ればいい」
「追徴課税すればいい」だけ。
「経営課題はこれですよ!」なんて
「思ってても言わない」ですよね。
こう考えると、誰も心配してない決算書。
「経営者が読まないと、誰が読むの?」です。
決算書が、良ければ自信になるはず。
決算書が、悪ければ課題に気付くはず。
そもそも「他人事」ではありません。
「読めた方がいい?」じゃありません。
「読めないともったいない!」です。
【定義確認】
「読める」とはどういうこと?
では、そもそも「読める」とは?
簡単な例で示します。
貸借対照表
| 資産 500 | 負債 400 |
| 純資産 100 |
例えば「貸借対照表」。
これナニ?という人は「知らない人」。
「資産が500」で「純資産が100」。
だから、自己資本比率は20%。
ここまでなら「知ってる人」。
さて、この20%は良いの?悪いの?
それが分かれば「読める人」です。



「資産を換金価値評価しないと分からないよ」とか
「割合じゃない!金額でしょ!」って答えなら達人!
「おぬし、なかなかやるのぉ!」
さて、どうですか?
「決算書」には、「自己資本比率」以外にも、様々な「割合計算」が出てきます。
- 自己資本比率
- 利益率
- 人件費率
- 損益分岐点比率
- 流動比率
- などなど・・・
まず、これらを「知ってること」が「入口」です。
その上で、その「答え」が「いい・わるい」、
さらに、「使える・使えない」などが分かれば
「読めるように」なります。
「読めるように」なれば、
「課題発見」ができるようになります。
例えば、人件費率の
「理想は、35%」
「現実は、40%」
「課題は、5ポイントの改善」
ここで「人件費を圧縮しないと!」と思ってしまう人は「惜しい!」。
「読める経営者」なら、
・人件費率は、限界利益と人件費の割合だから
・限界利益を上げるか?
・人件費を下げるか?
…と、分母分子の両面がアタマに浮かびます。
さらに「課題発見」ができるようになれば、
「予想」や「目標設定」もできるようになります。
ここまで来ればOK!です。
【自主トレ】
「仮説」を立てれば読める
決算書を漠然と眺めていても、経営課題は浮かび上がってきません。
「読める経営者」になるための効果的な方法は、
「仮説起点」。
難しく考えなくてもいいです。
最初は、
「大丈夫な、はず」
「ヤバい、かも」ってレベルでいいです。
「仮説:大丈夫な、はず」
↓
「検証:決算書で確かめる」
「仮説:ヤバイ、かも」
↓
「検証:決算書で確かめる」
この「クセ」です。
仮説を検証するためには、
「大丈夫って、どこを見ればいい」
「ヤバイって、どこを見ればいい」
が分からないとできません。
この「検証作業」が、いちばん勉強になります。
「仮説サンプル」を例示しておきます。
このような「仮説」を立てて、過去2年分くらいの決算書を「熟読」してみてください。
経営者なら「感じる」はずです。
なぜなら「自分の会社だから」です。
- 過去~現在の検証
- 共通:決算書の各科目の内容は、すべて正しいはず
- BS:現在の純資産は充分で、万が一のときも大丈夫なはず
- BS:銀行借入金は収益力に対して適正範囲で、過剰ではないはず
- PL:過去2期の固定費の増減は、思ってた通りのはず
- PL:損益分岐点は、思っている通りの水準のはず
- 中期〜長期(3〜10年)の予測
- PL:今後3年間、期待通りの利益が出るはず
- BS:引退までに銀行借入金は完済できるはず
- BS:引退時、自分の退職金資金が充分蓄積できるはず
「仮説」を立てても「どうやれば検証できるのか?」と、最初は戸惑うと思います。
ここで、顧問税理士先生の登場です。
毎回、ひとつずつでいいので・・・
- 「決算書の各科目の内訳を、教えてください」
- 「現在の純資産は充分ですか?」
- 「今後3年間、期待している利益は、出そうですか?」
・・・と、質問して「その答えのプロセス」を学ぶことです。
「充分だよ!」って答えを教えてもらうのではなく
「なぜ、充分なんですか?」と、そのプロセスを学ぶ。
これ、とても大切な「税理士との付き合い方」です。


【深堀視点】
読むと「過去の自分」が見える
ここで少し厳しい話をします。
今の決算書の状態にしたのは、他でもない経営者自身です。
経営の成果は問答無用で決算書に表れます。
意識していたかどうかは関係ありません。
例えば「決算書が読める経営者」になれば、今まで気付かなかったことが、見え始めます。



「知らぬが仏」とは
よく言ったもんだ
- 株価が想定以上に高くなってる!
- 内部留保が、「からっぽ」だった!
- 冷静になって考えると「莫大な借金」を抱えてる!
- 節税をミスって、何も残ってない!
- 資産価値が無いものを買いすぎてた!
- 資金繰りが安定してたのは、借金を重ねたからだった!
「決算書は業績の結果」であるとともに
「経営者の考動の結果」でもあります。
決算書が読めるようになると、
気付かなかった「自分自身の考動のクセ」も見えるようになります。
「決算書が読めると、経営がよくなる」
この本当の意味は・・・
「決算書が読めると、
経営者の考動改善が進むから
経営がよくなる」です。


【要点整理】
毎月成長する経営者に!
さて、どうですか?
「知ってるけど、読めない決算書」という切り口で
「経営者の考動改善のヒント」を紹介しました。
この理屈をシンプルにまとめておきます。
- 決算書が読める
↓ - 決算書から課題が見える
↓ - 課題の原因を「自分の考動」に求める=自責思考
↓ - 経営者の考動が改善する
↓ - 成功確率は高くなる
失敗確率は低くなる
↓ - もっといい会社になる
年に一度の「決算書」では足りません。
月に一度の「試算表」を仮説起点で読みまくる!
そうすれば、毎月成長できます。
それをコツコツと続けると
「もっといい経営者」になれます、必ず。
お役に立ちますように!




