「利益」は目的ではない!
「内部留保」への視点転換
「出口」で後悔しないための
「3つの重要視点」
どんな経営者にも「最後の日」がやってくる。
最後に笑うのは誰か?
もちろん「ジブン」。
そのために必要な「会計戦略」。
「望む成果」が「経済的な安心と満足」ならば
「望む成果」を「運に任せたくない」ならば、
- 「利益」は目的ではなく「手段」
- 「損益計算書」以上に「貸借対照表」を重視
- 「会計の主導権」は「ジブン」
この「3つの重要視点」を持って
「やたら会計に強い経営者」になればいい。
10人~200人規模の中小企業経営者の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このサイトについて」をまずご覧ください。
【事前準備】
「会計戦略」の位置づけ
「経営戦略」と「会計戦略」

本題に入る前に、アタマの準備をしましょう。
「会計戦略とは何か?」
まず、おおまかなイメージを共有しましょう。
「経営の構造」のおさらいから。
「地図」を持たずに出かけるから「迷子」になったり、ひどい時は「遭難」したりします。そこまででもなくても「近道」が分からず「遠回り」したり。
経営も同じで、その「構造」を知っているかどうかで、大きく差が開きます。
「経営戦略」は「ヒト・モノ・カネの仕組み」
「会計戦略」は、そのひとつ「カネの仕組み」
つまり、
「会計戦略」とは
「足腰の強い財務基盤を構築する仕組み」。

「距離」や「傾斜」の数字が
ある地図と、
ない地図の違いは歴然でしょ?
♬あるとき~ないとき~
この「仕組み」を使って「カネ」の動きを「時間」に落とし込み、スケジュールすれば「利益資金計画」になります。
これは「販売計画」「開発計画」「組織計画」などと並ぶ「経営計画」を構成するひとつです。
本稿を正しく理解するために、まず、この「会計戦略」の位置づけを共有しておきます。


【重要視点】
中小企業だから「会計戦略」
では、「本題」に入りましょう。
「資金の優劣」は
「会社の優劣」
「ヒト・モノ・カネ」。
どれも欠かせない「経営資源」です。
特に比較的小規模な中小企業において「カネ」の重要性は言うまでもありません。
ほとんどの中小企業にとって
資金調達の方法は
「借りる」か「稼ぐ」しかないからです。
「資金の優劣」は、
「会社の優劣」に大きく影響します。
「無い袖は振れない」といいます。
どんなに優れた戦略も、
どれだけ素晴らしいチームを作っても、
「先立つもの」の安心感がなければ、
すべてが「夢物語」になってしまいます。
そして、この
「資金の優劣」は、
「会計の優劣」に大きく左右されます。
「厚い内部留保」が必要
「会計戦略」の目的は
「足腰の強い財務基盤を構築すること」。
「必要十分な自己資金」。
つまり「内部留保の蓄積」です。
「厚い内部留保」が必要です。
「厚すぎる内部留保」までは必要ないでしょう。
でも
「薄すぎる内部留保」は「薄氷」です。
業容拡大も、研究開発も、新規投資も
「恐る恐る」取り組むのか?
「思う存分」取り組むのか?
「やること」が同じであっても、そのリスクは雲泥の差です。
「経営の原理原則」の確認
「内部留保」の上に立っているのは
「経営者だけ」ではありません。
「内部留保」の上には
「関わる人たち」が一緒に立っています。
いつ割れてしまうか分からない
「薄氷の内部留保」なのに
「安心して!」って
言っても説得力がありません。
どうせなら
「分厚い内部留保」を蓄えて
「滅多なことでは大丈夫!」って
言いたいものです。
「会計戦略」、言葉は堅いですが、
その目指すところは
「関わる人たちの持続的な幸せ」です。
つまり、
「会計戦略」も
「経営の原理原則」につながっています。
「もっと稼ごう!」ではない
繰り返しますが
「会計戦略」も「戦略」です。
「成功」とは「勝ち負け」ではなく、
「期待する成果」を得ることです。
ただ、これには「個人差」があります。
特に、オーナー型中小企業の「個人差」には特徴があります。
あえて、極端なサンプルを例示します。
「厚い内部留保」と上述しました。
でも「そんなの要らないよ」という経営者がいます。
なんらかの事情や理由で
会社以外にも個人的に
「たっぷり持っている人」です。
この人の戦略は
「赤字にさえならなければいい」かもです。
いや、
「多少の赤字でもいいよ!」かもしれません。
一方で「もっと要るよ!」という経営者。
この人の戦略目的は
「もっと内部留保を増やすこと」。
だから
「これからも黒字を続けよう!」ですね。
このように「会計戦略」は、それぞれに事情によって違います。
【目標設定】
ゴールの解像度を高める
「守りの視点」
内部留保の必達ライン
「会計戦略」とは
「足腰の強い財務基盤を構築する仕組み」。
さて「足腰の強い財務基盤」とは?
私が目安にしているのは
「固定費の2年分」です。
「固定費2年分相当の内部留保」を持っていれば、万が一「売上が止まった」としても、チームを解散することなく2年間は持ちこたえられます。
例えば、
毎月の固定費が「@1,000万円」だとすると
「×24カ月」で「2億4,000万円」が
「必要な内部留保」と計算することができます。
ただ、会社が拡大すれば、それに伴い「固定費」は増えていきます。
「2.4億」と思ってた「目の前ゴール」は、会社の成長と共に遠ざかります。



私のクライアントが口をそろえて言います。
「内部留保ってイタチゴッコやなあ」
万が一のときは「銀行が融資してくれる」という「確実な約束」があれば、それも何とかなるかもしれません。
でも・・・
「売上が止まった会社」。
「あっさり、手のひらを返された」と悔やんでも悔やみきれません。
最近では「コロナ」の記憶はまだ新しいですね。
「まず、固定費の2年分」、
これが「守りの視点」です。
「攻めの視点」
必達ラインを超えれば?
一生懸命利益を出して「必達ライン」をクリアすれば、あとは?
あえて極端に言います。
「以後、利益を全部使ってもイイ状態」になります。
すでに「2年分の内部留保」があるからです。
- 本社でも建てるか?
(=ブランド力バク上がり?) - 給与水準を上げるか?
(=チーム全員が笑顔!) - この際、値下げで還元するか?
(=価格競争力バツグン!) - いやいや、益々研究開発に投下できる!
(=差別化急進!?) - まだまだ不安!3年分を目指すぞ!
(=イイね!)
さて、どうですか?
いったん、安心できる内部留保が確保できれば「やるかどうか?」は別にして「経営の選択肢が大きく広がること」は分かります。


【重要視点】
やたら「3つ」にこだわる
中小企業の会計戦略
「3つの視点」
では、「厚い内部留保」を積み重ねる
「やたら会計に強い経営者」になるために
どうすればいいか?
冒頭で「3つの視点」を示しました。
- 「利益」は目的ではなく「手段」
- 「損益計算書」以上に「貸借対照表」を重視
- 「会計の主導権」は、「ジブン」
このサイトでは、この「3つの視点」について、様々な「実務的ヒント」を発信していますが、その「狙い」を共有しておきます。
視点1
「利益は目的ではない」
私がまだ現役の税理士だったころ。
日々、お客様に「決算報告」をしていましたが、その多くの関心事は「利益と税金」でした。
ま、当たり前です。
でも、続けて「貸借対照表」の説明をすると、どこか「他人事」「うわのそら」です。
「PLの話」には「まえのめり」だったのに、です。
関心事が「利益だけ」だからです。
私は、そんな経営者によくイジワルを言いました。



社長の会社、
万が一のときは3カ月も持たずに崩壊やね!



は?
この反応のあと、さっきの「内部留保」の説明をします。
ほぼ全員の経営者は顔色を変えて
「もっと稼がないと!」と言い出します。
意識を変えてくれたんですね。
そうです。
「利益」は「内部留保」のための「手段」。
「納税」して、なるべく多くの「税引後利益」を出すことが「将来」のため、と気付いてくれるのです。
私は、このあたりから「会計に強くなってくれそう」と期待し始めていました。



「税金を払わないと会社って大きくならんのやね」
この言葉が出てきたら「大成功!」と思っていました(笑)。


視点2
「貸借対照表を重視する」
すでに、お話ししたとおりです。
「内部留保」は
「貸借対照表」を見ればわかります。
「損益計算書」は「1年間の成績」です。
「貸借対照表」は「創業来の成績」です。
短期の成績に一喜一憂することなく「財務体質」を重視するようになると、気付いたら「やたら会計に”強そうな”経営者」になっています。
それまでは
「利益は?税金は?」と気にしていた経営者が
「BSはどうなった?」と方向が変わります。
いわゆる
「BS経営」の入り口です。



正直に言います。
私の関心事は「今期の利益」より「創業来の利益」です。今でも「社長、会社を作ってからこれまで、どんだけ稼いだ?」と聞くのが楽しみです(笑)。
視点3
「会計の主導権はジブン」
視点の3つめ。
それは「会計の主導権」です。
税理士に対して
「BSはどうなった?」
この質問は、
まだ主導権が税理士にある証拠です。
「うちのBS、よくなったでしょ?」
この「どや顔」は、
主導権が経営者に移った証拠です。
「税理士に聞かないと分からない」
これは「ダメ」です。
まだ、それを「恥ずかしそうに」言うなら「発展途上」ってことで許せます。
でも「当たり前」のように言うなら「は?」です。
「自分の財布の中身」を「他人」に聞かなければ「わからない」って「違和感」でしかありません。
また、このタイプは「税理士のミス・勘違い」にも気付けない「鵜呑み経営者」です。
「人間ドック」だったら、
ドクターを信じるしかありませんが、
「会計の結果」は、
勉強すれば修得できるので信じるのはヤバイ!
- 「会社のお金の話」
- 「ジブンのお金の話」
- 「ジブンの将来に関わる話」
これを「他人任せ」にしておくのは「ダメ」です。



「税理士任せ」にしている経営者は
「数字に弱い経営者」のまま…。
だから…
「会計は私に任せて、
社長は営業に専念して!」
と言う税理士は特に要注意!


【要点整理】
最高の経営者人生のために
「いい人生」を送りたい。
「経済的な安心感」を得たい。
だから「いい会社」にしたい。
その手段としての「会計戦略」。
その軸は「内部留保」。
「損益計算書」は「手段」、
「貸借対照表」が「目的」。
この視点転換ができれば、必ず
「やたら会計に強い経営者」になれます。
もちろん、そんなに簡単ではありませんが。。。
「幸せはお金で買えない」と強がりを言っていた経営者は少なくありません。
でも、実際に「お金がなくても」幸せな経営者は、超レアケース。
クドイ話は、下記の個別記事に譲ります。
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【関連記事】
やたら強くなるために



AIに「やたら会計に強い経営者」ってどんな人?と聞いてみたら、なるほどな回答でした。
正解のない会社経営において、自社の換金価値という現実を見つめ、自らの責任で進路を決める覚悟がある人、とのこと。
そのお役に立てればと思って関連記事を増やしていきますね!
